秋ナスを楽しむために、夏の内にやっておきたい更新剪定とは?
夏野菜の定番であるナスは、早ければ6月下旬ごろから収穫が始まり、8月ごろになると収穫量が減っていきます。
しかし、夏のうちに「更新剪定」を行うと収穫時期が伸びて9月まで収穫を楽しむことができます。更新剪定とはどのような作業なのでしょうか。
更新剪定で株を休ませる
ナスに限らす、どの作物も花を咲かせて実をつけると株がどんどん老化していきます。摘心や摘芽、摘果といった手入れや追肥などで株が疲れないようにすることもできますが、完全に疲れ切った株を復活させることは困難です。
更新剪定は、株が疲れ切ってしまう前に大々的な剪定を行い、花、実、茎や葉を減らして株を休ませることを目的とした作業です。夏の暑い時期に更新剪定を行ってエネルギーを温存しておけば、秋にも実をつけることができます。
更新剪定の方法
更新剪定は7月下旬から8月上旬ごろに行います。高温と乾燥で株が疲れやすく、葉が茂っているとハダニなどの害虫も発生しやすいこの時期に剪定を行っておくと、消費するエネルギーを少なく抑えることができるだけではなく、秋ごろになると再び勢いを取り戻すことができます。
剪定を行う時は、まず株を低くすることから始めます。1/3~1/2ほど切り戻して丈を低くしましょう。
次に、古くなった葉や、病気・食害されている葉を切り落としていきます。元気な脇芽は切らずに残しておくとよいでしょう。
葉をすべて切り落とすと茎が枯れてしまいますので、最低でも2枚程度葉を残すよう注意してください。
根切りと追肥も忘れずに
更新剪定を行ったら、同時に根切りと追肥を行いましょう。根切りとは古い根を切ることで新しい根の発生を促す作業です。株元から30cm程度離れた場所にスコップや移植ゴテを垂直に深く刺し、根を切ってください。
剪定と根切りが終わったら、根切りした時に空いた隙間から液体肥料や化成肥料を与えましょう。
まとめ
更新剪定を行うと9月に秋ナスの収穫を楽しむことができますが、花や小さな実も切り落とすことになるだけではなく、株が成長して再度収穫できるようになるまである程度時間がかかります。そのため、収穫量が一時的に下がってしまうというデメリットがあります。
また、剪定のし過ぎなどで株が枯れてしまう可能性もあるので、初心者は特に不安を感じるのではないでしょうか。
9月に秋ナスを収穫したいという場合は更新剪定が必要ですが、8月中もナスを収穫したい、失敗しそうで不安だという場合は剪定を行わないという選択肢もあります。