クリスマスを彩るポインセチア。真っ赤な色を出す「短日処理」と冬越し、ふやし方について。
クリスマスシーズンになると様々な場所で見かけるようになるポインセチアは、赤と緑のコントラストが美しい植物です。
しかし、いざ自分で育ててみると思うように葉が色づかないことも少なくありません。実はポインセチアは「短日植物」に分類される植物で、上手に色づけるには「短日処理」を行う必要があります。
ポインセチアの短日処理とはどのようにすればよいのでしょうか。冬越しや増やし方も併せてご紹介します。
ポインセチアの短日処理
植物が花を咲かせたり芽を出したりするのには気温や日光などの条件が深く関係していますが、ポインセチアは日が短くなることで開花するという特徴を持っています。
日が短くなることで花を咲かせる植物を「短日植物」と呼びますが、ポインセチアは短日植物のなかでも特に条件が厳しく、夜が12時間以上の日が40日以上続かないと色づきません。蛍光灯の明かりも昼として認識してしまうため、確実に赤くするためにはカバーなどを使って光を遮断して栽培する必要があります。これを「短日処理」といいます。
【短日処理の方法】
ポインセチアの短日処理は、毎日夜7時から翌日の午前9時頃まで、ダンボールに黒いビニールをかぶせたカバーで株全体を覆うというように、夜から翌日午前まで12時間以上光が当たらない状態を人工的に作ることで行います。押し入れなどに入れてしまうという人もいるようです。
ただし、処理中はわずかな時間でも光に当ててはならない、40日以上毎日続けなくてはならない、昼はしっかり日に当てなくてはならないなど、条件はかなり厳しくなっています。
また、寒いクリスマスシーズンに見かけることが多いため、耐寒性が高い植物のように思われがちですが、霜にあたると枯れてしまうため10月以降は屋内で育ててください。
すでに持っている株をクリスマスシーズンに合わせて赤くしたいなら、10月頃から処理を始める必要があります。
冬越し
ポインセチアは寒さに弱いため、冬越しが難しいと言われていますが、屋内でしっかり管理すれば冬越しすることは可能です。
もっとも重要なのが気温です。寒さで葉が落ちても根が残っていれば復活する可能性がありますが、根が枯れてしまうと芽を出すこともできません。0度を下回ると根が枯れてしまうので、屋内の暖かい場所で管理しましょう。
冬の間は休眠状態なので水やりは控えめに行います。土が乾燥してから2日程度空けてから水やりする程度でよいでしょう。
また、ポインセチアは日当たりを好むため、昼間はしっかり日に当てることも重要です。ただし、寒さに当たると枯れてしまうため、屋外に出すのはもちろん、窓辺に置く場合も気温に注意する必要があります。
増やし方
ポインセチアは挿し木で増やすことができます。気温が20度くらいになる5~6月ごろが適しています。なお、発根促進剤を使用すると成功しやすくなります。
1:若い元気な枝を本葉3~4枚つけて切り取り、挿し穂を作る
2:水を張った容器に切り取った枝をつけ、 樹液を洗い流す
3:樹液が出なくなったら、水を変えて小一時間ほど水に挿しておく
4:湿らせておいた用土に棒で穴を開け、挿し穂を挿して土を寄せる
5:直射日光が当たらない明るい日陰に置き、発根するまで乾燥させないように管理する
まとめ
繊細な植物で短日処理にも手間がかかるポインセチアは、管理が難しい反面育てがいがある植物といえます。クリスマス頃ポインセチアを入手したら、翌年のクリスマスにも楽しめるよう、自家栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。