初心者でも楽しめるクリスマスローズの育て方。
クリスマスローズは、クリスマスの時期にバラに似た花を咲かせることからこの名で呼ばれるようになったキンポウゲ科の多年草です。一重咲き・八重咲き、花弁が尖ったものや丸いものなど花姿にバリエーションがあるほか、白、ピンク、黄、緑、紫、茶、黒、斑入り、線のような模様入りなど色や模様の種類が多く、冬を彩る花として親しまれています。
今回は、上手に育てれば長く楽しむことができるクリスマスローズの育て方を紹介します。
植え付け・栽培環境
クリスマスローズは水はけのよい土と日当たりのよい場所を好みます。耐寒性は強いですが耐暑性は普通で、直射日光は好みませんので明るい半日陰に植えるとよいでしょう。
鉢植えの場合は生育期である10月から4月ごろまでは日当たりのよい場所、5月から9月は暑さをしのぎやすい明るい半日陰に移動して管理するとよく育ちます。
植え付けは10月から3月頃が適期です。根鉢の下の方を少しほぐして浅めに植え付け、水やりは翌日から行います。鉢植えの場合は深さ30cmほどある深型の鉢を使うとよいでしょう。
種からでも苗からでも栽培可能ですが、種から育てると花が咲くまで数年かかるため、苗からの栽培がおすすめです。10月ごろから出回るつぼみ付きの苗やある程度大きく育っている苗を植えるとそのシーズンに花を楽しめます。ポット苗の場合、花が楽しめるのは翌シーズン以降です。
クリスマスローズには「種から育てるとどんな花が咲くかわからない」という変わった特徴があり、決まった色や形の花を咲かせるためには組織培養でクローンを増やす以外の方法がありません。
このことから、種から育てた苗を「実生苗」、組織培養で作った苗を「メリクロン苗」と呼んで区別しています。決まった花を咲かせたい場合はメリクロン苗を選びましょう。
水やり・肥料
地植えの場合、水やりは特に必要ありません。
鉢植えは、10月から5月頃までは土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与え、6月から9月頃まではやや乾かし気味に管理します。この時期は梅雨や秋の長雨による過湿を避けるため、庇の下などに鉢を移動してもよいでしょう。
冬は根の凍結、夏は根腐れに注意してください。水やりは午前中が適しています。
肥料は、庭植えの場合は生育が旺盛になり始める10月に緩効性肥料を施します。生育状況を見て12月や2月に追肥してもよいでしょう。
鉢植えの場合は10月、12月、2月に緩効性肥料を施すほか、1週間から10日に1回の頻度で液体肥料を与えます。
庭植えも鉢植えも、開花期が終わる4月ごろにお礼肥えを施しておきましょう。
5月以降は休眠期に入るため施肥は不要です。
管理作業
花が枯れ始めたら花がら摘みを行います。花先を切り取るのではなく、花茎を株元から5cmくらいの位置で切り取ります。
また、植え付けの翌年の秋からは枯れた葉や傷んだ葉を切り取る古葉キリを行います。適期は新芽が芽吹き始める11月から12月です。花がら摘み同様、株元から5cmくらいの位置で切り取るとよいでしょう。
まとめ
クリスマスローズは、生育期の施肥と花がら摘み以外の管理作業はなく、地植えであればほとんど放置でも育ちます。種から育てるとどんな花が咲くかわからないという面白い特徴があるので、栽培に慣れたら種を取って育ててみるのも楽しいかもしれません。