植物の大敵!カイガラムシとハダニの駆除の仕方について。
植物の成長を阻害したり枯らしてしまう害虫には様々な種類が存在しますが、なかでも厄介だといわれているのがハダニとカイガラムシです。
今回は、ハダニとカイガラムシの特徴や駆除方法を紹介します。
ハダニ・カイガラムシの特徴
ハダニは植物の葉の裏に寄生する体長約0.3〜0.5mmの虫です。クモに似た見た目をしていますが、脚の数が6本であるため簡単に見分けることができます。暖かくて乾燥した環境で発生しやすいため、春から秋までの屋外のほか、屋内の観葉植物、ベランダのプランター栽培などにも発生します。
ハダニは植物を食害して葉の裏側に白い斑点やかすり状の傷をつけ、放置していると葉焼けや葉肉崩壊症を引き起こして落葉したり、枯れたりしてしまいます。また、花弁を食害することもあります。
カイガラムシは体長が2mm〜10mmほどの小さな昆虫で、草花や庭木、果樹など多くの植物に寄生し樹液を吸って成長し、植物を枯らしてしまいます。白くベタベタした糖分の多い排泄物を出し、それが原因で「煤病」や「こうやく病」を引き起こしたり、アブラムシやアリが発生する原因になったりします。
駆除方法
ハダニは水分に弱いため、定期的に葉水を行ったり葉の裏を水で洗うことで予防できます。
発生した量が少ないうちは水で葉を洗い落としたりセロテープなどを使って剝がしとって駆除できます。テープの粘着で葉を傷めないよう注意してください。
量が多いときはハダニ用の薬剤や牛乳、木酢液を散布して駆除します。牛乳を使用した場合、そのままにしておくと牛乳が腐って悪臭のもとになったりカビが発生したりしますので、散布後は水を使ってきれいに洗い流してください。
カイガラムシは、幼虫の間は薬剤が有効ですので殺虫剤や牛乳、木酢液で駆除します。
成虫になると体が硬いカラに覆われて薬剤が効かなくなるため、ブラシなどを使ってこすり落とすか、寄生部分を剪定してしまいましょう。
おすすめの薬剤
ハダニは薬剤耐性が付きやすいため、一つの薬剤を使い続けるのではなく数種類の薬剤をローテーションで使用するとよいでしょう。
また、カイガラムシは成虫になると薬剤が効きにくくなります。カイガラムシ専用の殺虫剤やカイガラムシを窒息させる乳剤系がおすすめです。
【マシン油乳剤】
マシン油乳剤は、毒性成分で駆除するのではなく物理的に窒息させて駆除する殺虫剤です。
水で薄める手間がかかりますが、天然の鉱物油由来の薬剤なので有機栽培や無農薬栽培にも使用でき、ハダニ、カイガラムシにも有効です。
【マラソン乳剤】
マラソン乳剤はハダニやカイガラムシのほか、アブラムシやコガネムシなど様々な害虫に効果がある有機リン系の殺虫剤です。水で希釈して噴霧して使用します。野菜にも使える安全性の高い薬剤ですが、わずかな毒性があり、アルカリ性の薬剤との併用や混合を避けなければならないなど使用には注意が必要です。
【ベニカXファインスプレー】
ベニカXファインスプレーは花木から庭木まで幅広く使用できる殺虫殺菌剤です。カイガラムシやハダニに効果があるだけではなく、うどんこ病や灰色かび病の原因となる菌も駆除します。水で薄めたりする手間がかからないスプレーボトルタイプなので、手軽に使えるのも魅力です。
まとめ
ハダニとカイガラムシは放置していると植物が枯れてしまうだけではなく、新設するほかの植物にも広がって植物が全滅してしまう可能性があります。予防することはもちろん、発生したらできるだけ早く駆除するように心がけましょう。