庭をリデザインするなら?落葉樹移植の根切り・根回し方法とは?
庭のリデザインを考えた際、落葉樹の移植は重要な作業の一つです。しかし、適切な手順を踏まなければ木に負担をかけ、大切な木が枯れる原因となることもあります。この記事では、落葉樹を移植するための「根切り」と「根回し」の方法について解説します。
樹木移植の必要性
庭木の移植を検討するタイミングには以下のようなケースがあります。
- 根が地表に見えている
根詰まりを起こして成長が止まる危険があります。 - 根元に水たまりができている
水はけが悪く、根腐れを引き起こすリスクがあります。
上記のような状態がない場合でも、庭木を健康に育てるためには適切な移植が必要です。
落葉樹の移植に最適な時期
落葉樹の移植は、葉が落ちた後の11月下旬から3月の間に行うのが理想的です。この時期は木が休眠期に入り、根の活動が緩やかになるため、移植によるダメージを抑えることができます。
移植の基本手順
落葉樹の移植は以下の手順で行います。
根回し
なぜ根回しが必要なのか
根回しとは、木を移植する前に根を一部切断し、新しい細い根を成長させる準備を行う作業です。これにより、移植後に木が新しい環境に馴染みやすくなります。
根回しの具体的な手順
- 高さ2m以下の木
根の先端を切断して、不要な根を取り除きます。 - 高さ2m以上の木
太い根の表皮を剥ぎ取り、細い根を露出させます。茶色や黒色の根は切断し、白い根はそのまま成長させます。
根回し後は半年から1年ほど待ち、新しい細い根が生えたことを確認してから移植を行います。
枝抜き・間引き剪定
根回しで切った根の分、枝葉を剪定して木全体の水分蒸発を抑えます。剪定により木の負担を減らすとともに、見た目もスッキリさせる効果があります。
掘り起こし・移植
剪定後、いよいよ木を掘り起こし移植を行います。掘り起こした木は根に付いた土を3分の1ほど残し、新しい場所に植え替えます。根元に土を優しく埋めて固定し、たっぷりと水を与えて移植作業は完了です。
移植後のケア
切り口の保護
剪定や根回しで生じた切り口には、癒合剤を塗布して保護します。これにより雑菌の侵入や乾燥を防ぐことができます。
適度な水やり
移植後は水の与えすぎを避け、土が乾燥しない程度に控えめに水を与えます。
肥料の使用を控える
移植直後は肥料を与えず、必要に応じて活力剤を使用します。
自分で行う場合の注意点
落葉樹の移植は高度な技術を要する作業です。特に2mを超える木は自分で行うのが難しいため、プロに依頼するのが安心です。どうしても自分で行いたい場合は、以下のポイントに注意してください。
- 作業前に木の状態をよく観察し、切るべき箇所を決定する。
- 適切な道具を用意し、無理のない作業計画を立てる。
- 移植後のケアを怠らず、木の健康状態を定期的に確認する。
移植後に出た枝の活用法
剪定で出た枝は捨てずに再利用することが可能です。
- 土留めや縁材
枝を花壇の境界に並べて土の流出を防ぐ。 - 薪
枝を乾燥させて薪として利用する。 - ウッドチップ
粉砕してマルチング材として使用。 - 堆肥
時間をかけて堆肥に加工し、土壌改良に役立てます。
プロに依頼するメリット
樹木の移植には専門知識と技術が必要です。特に大型の木や複雑な庭の構造の場合、プロに依頼することで以下のようなメリットがあります。
- 天候や害虫対策を考慮した移植が可能。
- 庭全体のバランスを整える提案が受けられる。
- 安全かつ効率的に作業を進められる。
まとめ
庭のリデザインや建て替えで樹木の移植を検討する場合、正しい手順と適切なケアが成功の鍵となります。落葉樹の移植は冬から早春が最適で、根回しや剪定をしっかりと行うことが重要です。
しかし、背の高い木や作業が困難な場合は、専門業者に依頼することで樹木へのダメージを最小限に抑えつつ、美しい庭を維持できます。あなたの庭が新しいデザインで生まれ変わる第一歩として、この記事を参考にしてみてください。