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ハスの植え付けはいつがベスト?適した時期とは?

ハス(蓮)というと、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべますか?食用としてのレンコンを思い浮かべる方もいれば、美しい花を咲かせる水生植物としてのイメージを持つ方も多いでしょう。日本でも古くから親しまれてきたハスですが、実際に育ててみたいと考える方も増えています。そこで今回は、ハスの植え付けに適した時期や育て方のポイントについて詳しく解説します。

ハスの基本情報

ハスは、インドや中国、日本などの温帯から熱帯の湿地に広く分布する水生植物です。歴史は非常に古く、約1億4000万年前から地球上に存在していたといわれています。仏教とも深い関わりがあり、清らかさの象徴として仏像や寺院の装飾に取り入れられてきました。インドやベトナムでは国花とされるなど、東アジアを中心に多くの文化圏で親しまれています。

ハスの花の見頃は7月中旬から8月中旬。朝に開花し、午後には花を閉じるという特徴があります。よく似た水生植物にスイレンがありますが、ハスは水面より上に花を咲かせるのに対し、スイレンは水面に花を浮かべるという違いがあります。

ハスの植え付け時期

ハスを育てる際には、種や苗の植え付け時期がとても重要です。適切な時期に植え付けを行うことで、成長がスムーズになり、美しい花を咲かせることができます。

種から育てる場合

ハスの種まきの適期は 4月から5月 です。ハスの種は非常に硬い殻に覆われているため、そのままでは発芽しにくいという特徴があります。発芽を促すためには、種の一部を削って水につける必要があります。

苗を植える場合

苗を使って育てる場合は 3月から4月 に植え付けるのが理想です。ハスは水温が上がると成長が活発になるため、暖かくなり始めた春に植えるのがベストタイミングです。

ハスの土づくり

ハスは、水中に沈めて栽培する水生植物です。そのため、土選びが重要なポイントになります。

  • 適した土:水もちの良い粘土質の土(田んぼの土が理想)
  • 代用品:小粒の赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜたもの
  • その他:水生植物専用の土も利用可能

植え付けの際には、土に 苦土石灰 を少量混ぜると、養分のバランスが良くなり、健康な生育につながります。

ハスの植え付け方法

種まきの手順

  1. ハスの種のへこんだ部分を ヤスリやニッパーで削り、白い部分が見えるようにする
  2. 削った種を 水につける
  3. 4~7日で発芽したら、鉢に入れた土に横向きに植える
  4. 2cmほど土をかぶせる
  5. 水を入れた睡蓮鉢などの容器に鉢ごと沈める

苗の植え付け手順

  1. 鉢に 2/3程度まで土を入れる
  2. 苗の 新芽を上向きに置き、土をかぶせる
  3. 水を鉢の縁までたっぷりと注ぐ
  4. 日当たりの良い暖かい場所に置く

鉢のサイズは、大型種で直径60cm以上、中型種で50cm以上、小型種で30cm以上 が推奨されます。漬物用の桶やバケツを利用することも可能です。

ハスの水やりと肥料管理

水やり

  • 水中で育てるため、水が腐らないように交換 する
  • 水が蒸発した分はこまめに継ぎ足す
  • 水温を一定に保つため、水道水を使う場合は 一度バケツに汲んで1日置いてから使用

肥料

  • 植え付け時に元肥を施す(緩効性化成肥料または骨粉+油かす)
  • 4月~9月の間は月に1度追肥
  • 葉が落ち、根が休眠したら追肥は不要

ハスの植え替え

ハスは地下茎がよく成長するため、 1~2年に1回 のペースで植え替えが必要です。植え替えの適期は 3月~4月 で、新しい土に植え替えることで健康な成長を促します。

植え替えの手順

  1. 根を丁寧に掘り出し、古い土を落とす
  2. 新しい土を用意し、苗を植え付ける
  3. 水深は 10cm以上 をキープ
  4. 日当たりの良い場所に置く

植え替えの際に 根の節目を傷つけないように注意 しましょう。

ハスの増やし方

ハスは 種まき株分け で増やすことができます。

株分けの手順(3月~4月)

  1. 根を掘り出し、丁寧に水洗いする
  2. 新芽がつくように3~4個に分ける
  3. 切り口に 園芸用の殺菌剤を塗る
  4. 苗植えと同様の手順で植え付ける

ハスの病害虫対策

腐敗病

地中の菌が地下茎に入り込むことで発生。常に水を張って乾燥を防ぐ ことで予防可能。

鉄欠乏症

葉が黄色く変色する症状。鉄分を含んだ肥料を施すか、釘を沈める ことで対策。

ボウフラ

蚊の幼虫が発生するため、水質を清潔に保つ ことが大切。メダカを一緒に育てると効果的

アブラムシ

葉や茎に発生しやすい。見つけ次第、園芸用の殺虫剤で駆除 する。

ハスを育てる際のポイント

水の管理

  • 水の蒸発が激しい夏場は特に注意
  • 1日でも水切れを起こすと枯れることがある

エビやメダカと一緒に育てる

  • ボウフラ対策としてメダカを飼う
  • エビやタニシを入れると水質維持に効果的
  • ただし、化成肥料や殺虫剤を使う際は注意

まとめ

ハスの植え付けは、種から育てる場合は4月~5月、苗を植える場合は3月~4月 が適しています。水の管理や肥料の与え方を工夫することで、美しい花を咲かせることができます。特に水温管理や害虫対策に気を配ることで、より元気なハスを育てることができます。

水中で育てる独特のスタイルが楽しめるハス栽培。ぜひ、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

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