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春じゃがいもの植え付けに最適なタイミングと、春植えのメリット・デメリット

じゃがいも栽培は家庭菜園でも人気のある作物ですが、植え付けのタイミングによって収穫の出来が大きく変わります。特に春植えじゃがいもは、比較的短期間で収穫でき、手軽に栽培できることから初心者にもおすすめです。しかし、春植えにはメリットもあればデメリットもあるため、それぞれを理解しながら適切なタイミングで植え付けることが大切です。

本記事では、春じゃがいもの植え付けに最適な時期や、春植えのメリット・デメリット、さらに植え付けのポイントについて詳しく解説します。

春じゃがいもの植え付けに最適なタイミングとは?

霜の影響を考慮した植え付け時期

じゃがいもは寒さに比較的強い作物ですが、霜には弱いため、植え付けのタイミングを誤ると芽が霜にやられてしまうことがあります。そのため、多くの地域では 2月中旬~3月上旬 に植え付けるのが適しています。

特に関東や中部地方では 2月下旬~3月下旬、九州などの暖地では 1月下旬から3月下旬 にかけて植えることができます。一方、寒冷地では雪解けを待ち、4月に入ってからの植え付けが一般的です。

地域別の植え付け適期

地域 植え付け時期
九州・四国 1月下旬~3月下旬
関東・中部 2月下旬~3月下旬
東北・北海道 4月中旬~5月上旬

植え付けのタイミングを決める際には、最終霜の時期を確認し、霜が降りなくなったらすぐに植え付けるようにしましょう。

春植えじゃがいものメリット

1. 短期間で収穫できる

春じゃがいもは 植え付けから3~4ヶ月 で収穫できるため、短期間で栽培できるのが最大の魅力です。特に 男爵キタアカリ などの早生品種は、約90日で収穫できるため、初心者にも扱いやすいでしょう。

2. 収量が多い

春植えは、気温が上がる成長期に向けて植え付けるため、しっかり育ちやすく収量が多くなります。また、地温が安定しているため、種芋の腐敗や発芽不良のリスクも比較的低くなります。

3. 連作障害のリスクが低い

じゃがいもは ナス科の作物 であり、連作障害を起こしやすいですが、春植えは 水稲や大豆などと輪作しやすい というメリットがあります。水稲の繁忙期(4~5月)や収穫期(9月以降)と重ならないため、作業の分散が可能です。

4. 栽培しやすい環境

春は雑草が生えにくく、病害虫の発生も少ないため、比較的管理がしやすい時期です。また、気温が徐々に上がっていくため、生育が安定しやすいのも魅力です。

春植えじゃがいものデメリット

1. 遅霜のリスクがある

新芽が出た直後に霜が降りると、葉が黒く枯れてしまうことがあります。霜が降る地域では マルチを張る ことで地温を上げ、霜害を防ぐ工夫が必要です。

2. 収穫後の保存が難しい

春じゃがいもは 休眠期間が短い ため、秋じゃがいもに比べて長期保存に向いていません。保存する場合は、風通しの良い冷暗所に置き、できるだけ早く食べ切るのがベストです。

3. 高温による病害リスク

春に植えたじゃがいもは 梅雨時期に収穫 することが多く、長雨による 疫病軟腐病 のリスクが高まります。そのため、排水性の良い畑を選び、適切な水はけ対策をしておくことが重要です。

春じゃがいもの植え付け方法

1. 種芋の準備

80~120gの種芋 を使用します。大きい種芋は 1片40g程度 になるように 縦に切断 し、切り口を乾燥させます。植え付けの4~5日前に行い、日陰で乾燥させると病気を防ぎやすくなります。

2. 土作り

  • 耕うんして 深さ25cm以上 の柔らかい土を作る
  • pH 5.7程度 に調整し、アルカリ性にならないよう注意
  • 腐葉土や堆肥を施し、土壌の排水性を良くする

3. 植え付け

  • 畝幅:70~90cm
  • 株間:25~30cm
  • 植え付け深さ:5~7cm

種芋は 切り口を下にして 植え、覆土をします。霜の心配がある場合は マルチを張る と安心です。

4. 水やり

じゃがいもは多湿を嫌うため、水やりは控えめにします。乾燥が続く場合のみ 朝か夕方 に適量の水を与えましょう。

5. 追肥と土寄せ

芽が15cmほど伸びたら 1回目の 土寄せ を行います。株元に土を寄せ、じゃがいもが日光に当たって緑化するのを防ぎます。 2回目の土寄せは開花前後 に行うのが理想的です。

追肥は 2回目の土寄せ時 に行い、窒素・リン酸・カリウムがバランスよく含まれた化成肥料を施します。

6. 収穫

植え付けから約3ヶ月後(5月下旬~7月上旬)に収穫を迎えます。葉が黄色くなり、茎葉が枯れてきたら掘り上げのタイミングです。

  • 収穫前に2週間ほど水やりを控える と、じゃがいもの皮がしっかりし、貯蔵性が向上します。
  • 晴れた日に掘り上げ、風通しの良い日陰で1週間ほど乾燥 させると長持ちします。

まとめ

春じゃがいもの植え付けは 2月中旬~3月上旬 がベストタイミングであり、短期間で収穫できることや、雑草・害虫のリスクが少ないことがメリットです。一方、遅霜や病害のリスクもあるため、適切な管理が必要です。

マルチを活用したり、適切な水やり・土寄せを行うことで、安定した収穫が期待できます。今年の春はぜひ、自家製の美味しいじゃがいもを育ててみてはいかがでしょうか?

 

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