冬の風物詩、松の木の「雪吊り(ゆきづり)」。
雪吊りは単なる飾りではなく、雪の重みによる枝折れを防ぐための冬支度として行われます。
今回は、雪の多い地域で大切な庭木を守るために、雪吊りの本来の目的と、ご家庭でもできる基本対策を簡潔にご紹介します。
松の木に雪吊りをする理由
松の木、特に仕立てられた庭木の枝は横に広がるため、雪が非常に積もりやすい形をしています。
水分を含んだ重たい雪が枝に積もると、重みに耐えきれず、大切な枝が裂けたり折れたりしてしまいます。
一度折れた枝は元に戻りません。雪吊りは、縄で枝を上から吊り上げて支え、この雪害を防ぐための実用的な対策です。
雪吊りは必要?地域と木の状態で判断
雪吊りが必要かどうかは、お住まいの地域と木の状態で判断しましょう。
- 雪吊りが必要なケース
- 毎年雪が積もる地域
- 枝が長く張り出している古木
- 雪吊りをしなくても良いケース
- ほとんど雪が積もらない地域
- 枝数が少ない若木や剪定直後の木
「必ずやるもの」ではなく、地域の積雪量と木の形を見て判断することが大切です。
雪吊りを行う時期の目安と外し方
作業の基本は「初雪が降る前」です。
目安としては11月下旬から12月上旬頃に行うのが一般的です。雪が積もってから慌てて行うと、枝を傷めやすいので注意が必要です。
また、雪解けが終わる春先には、成長を妨げないよう必ず縄を外す必要があります。
家庭でできる松の雪吊りの基本的なやり方
兼六園のような本格的な雪吊りは職人技ですが、ご家庭での「枝折れ防止」が目的なら簡易的なもので十分です。
- 中央に支柱を立てる
松の幹のそばに、竹や木杭などの支柱をしっかりと立てます。 - 縄を下ろす
支柱の先端から、保護したい枝に向けて麻縄やロープを放射状に下ろします。 - 枝を結ぶ
枝が下がりやすい箇所に縄を結びつけます。
コツは、枝を無理に上に「引っ張る」のではなく、「雪の重みで下がらないように下支えする」意識を持つことです。
見た目の美しさよりも、枝が雪で折れない実用性を重視しましょう。
雪吊り以外にできる雪対策
雪吊りをするのが難しい場合は、以下の対策を日常のひと手間として取り入れるだけでも効果があります。
- 積もったら払う
雪が積もったら、重くなる前にこまめに払い落とす。 - 事前の剪定
冬前に枝を整理し、雪が積もりにくくする。
松の冬支度は、木を長持ちさせるための大切な作業です。地域の環境や樹形に合った無理のない方法を選びましょう。