秋ジャガイモのおすすめ品種と、苗を植える際の注意点には何がありますか?
さまざまな料理に使えるジャガイモは、家庭菜園でも人気が高い野菜の一つです。ほくほくした食感の品種、ねっとりして煮崩れしにくい品種、甘みが強い品種などさまざまな品種があり、用途に合わせて使い分けられるよう、複数の品種を育てている方も多いようです。
ジャガイモには春植えと秋植えがあり、春秋どちらでも植えられる品種、春植えに適した品種、秋植えに適した品種などがあります。
秋ジャガイモを植えるとしたらどのような品種がよいのでしょうか。また、植えるときはどのような点に注意するとよいのでしょうか。
秋ジャガイモのおすすめ品種
デジマ
デジマは秋植えジャガイモの代表的な品種で、やや粉っぽい食感と凸凹の少ない表面が特徴です。青臭さがなく風味がよいので、どの料理にも使用できます。あまり大きく育たず、小ぶりの芋がコロコロとたくさんつく品種です。
アンデスレッド
アンデスレッドはその名の通りアンデス原産の赤いジャガイモです。赤いのは表皮だけで中の肉は黄色がかかった色をしており、ほくほくした食感と甘みのある風味から人気があります。収穫量が比較的多くなる品種ですが、栽培期間はやや長めです。
ニシユタカ
ニシユタカは春植えの品種として人気がありますが、秋にも植え付けが可能です。ねっとりとした食感と煮崩れのしにくさが特徴で、カレー、シチュー、おでんなどの煮込み料理に適しています。
1株につく芋の数が多く、少ない株でもそれなりの収穫が期待できます。
普賢丸(ふげんまる)
デジマによく似た外見を持つ普賢丸は、やや黄色みが強い粉質の品種です。比較的あっさりした味で煮崩れしやすいため、乳製品と合わせたシンプルな料理に向いています。
収穫量やイモの大きさはデジマと同程度ですが、デジマよりも成長が少し早いため、初心者でも育てやすいといわれています。
アイユタカ
丸みがあって凸凹が少なく皮むきの手間がかからないアイユタカは、ビタミンCの含有量が多いやや粘質タイプのジャガイモです。
火の通りが早く、味がしみ込みやすいため調理がしやすく、煮物やコロッケのほか、炒め物など幅広い料理に使うことができます。病気にやや弱い品種ですが、デジマよりも収量は多めです。
植えるときの注意点
【植え付けは気温が下がってから】
秋植えのジャガイモの植え付け時期は、品種や地域によって異なりますが、9月上旬ごろが一般的です。この時期は朝夕は少し快適になるものの日中はまだ気温が高い日が多いため、植え付けた芋が高温で傷んでしまうことがあります。ですので、植え付けは日中の気温がある程度下がってから行いましょう。
【種芋は切らずに植える】
春植えのジャガイモは種芋を切って植え付けを行いますが、秋は種芋を切らずに植え付けを行います。これは、春に比べて気温が高い秋は種芋が腐りやすいためです。丸ごと植えることになるので、種芋を購入する時は小ぶりの芋を選ぶようにするといいでしょう。
【ナス科との連作を避ける】
意外と知られていないかもしれませんが、ジャガイモは「ナス科」に分類される作物です。ナス科は同じ場所で続けて栽培すると連作障害を起こすため、ジャガイモを植えるときはジャガイモはもちろん、ナスやトマトといったナス科の作物を植えた場所を避けるようにしましょう。また、ナス科の植物の近くに植えるのもあまり良くないといわれています。
まとめ
秋ジャガイモの基本的な栽培方法は春ジャガイモと同じですが、時期的に高温多湿環境になりやすいため、種芋が腐りやすいという点に注意が必要です。しかし、秋ジャガイモは食味がよく、冬の料理に合う品種が多いので、冬に備えて挑戦してみてはいかがでしょうか。