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家庭菜園で使われる苦土石灰、消石灰、有機石灰の違いと使い方について。

家庭菜園やガーデニングで重要な土づくりには、様々な土や素材を使用しますが、よく利用するものとして「石灰」が挙げられます。

しかし、土づくりに使う石灰には様々な種類があり、初心者にはどれをどう使えばよいかわからないということも多いようです。

今回は石灰のなかでもよく使用される苦土石灰、消石灰、有機石灰の違いと使い方を紹介します。

石灰肥料とは

苦土石灰、消石灰、有機石灰など、石灰岩を主成分とした肥料を石灰肥料と呼びます。石灰岩とは、炭酸カルシウムを50%以上含む堆積岩のことで、貝殻や珊瑚などの遺骸から出来た「生物堆積岩」と、水中のカルシウムが沈殿してできた「化学堆積岩」の二種類があります。

石灰肥料はアルカリ性の肥料で、主として土の酸性度を調整するために使います。苦土石灰、消石灰、有機石灰のほか、炭カル、生石灰があります。

違いと使い方

苦土石灰、消石灰、有機石灰は同じ石灰肥料ですが、それぞれ異なる特徴を持っており、使い方にも違いがあります。

 

【消石灰】

消石灰は水酸化カルシウムのことで、生石灰と呼ばれる石灰石を水分と化学反応させたものです。石灰肥料の中ではアルカリ性が強いため、極度に酸性度の高い土を中和するために使用します。

消石灰は水と反応して熱を持つため、消石灰を撒いた直後に苗を植え付けることはできません。苗を定植する2週間前に土に混ぜるのが一般的です。消石灰の成分と肥料の成分が化学反応を起こすことがあるため、肥料は消石灰の1週間後に撒いてください。

 

【苦土石灰】

苦土石灰はカルシウムだけではなく、マグネシウム(苦土)も豊富に含んだ石灰肥料で、消石灰に比べるとアルカリ度は低めです。

そのため、極度に酸性度が高い土の中和には向いていませんが、植物の栄養となるマグネシウムを含んでいるため、土の中和と栄養補給を同時に行うことができます。

苦土石灰も植え付けの2週間前に土に混ぜて使います。消石灰と同じく、肥料の成分が化学反応を起こすことがあるため、肥料とは分けて使用します。

 

【有機石灰】

有機石灰は卵の殻や貝殻などから作られた石灰で、アルカリ度が非常に低いため極端に酸性度の強い土の中和には使えません。

消石灰のように熱を持たず、土壌の変化が穏やかなため、撒いた後すぐに苗を植え付けたり、種を撒いたりできるのが特徴です。

また、有機石灰は有機肥料でもあるため、土の中和だけではなく土に栄養を補給したいときにも適しています。化学反応を起こす心配もないので、肥料と同時に使用できます。

まとめ

苦土石灰、消石灰、有機石灰にはそれぞれ異なった特徴があり、使い方にも違いがあります。土の状態に合わせて使用する種類を選ぶとよいでしょう。

 

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