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2~3月から種を蒔く春大根、おすすめの品種5つと種まきのポイント。

大根は冬が旬の野菜というイメージがありますが、実は春に種をまく品種もあり、ほぼ一年中栽培・収穫ができる野菜です。

春先に種をまく春大根にはどのような品種があるのでしょうか。

春大根の特徴

春大根は秋冬の大根に比べると身が引き締まり、やや辛味があるのが特徴です。煮物にしても美味しいですが、煮物にするよりもサラダや漬物に適しているといわれています。

種まきのポイント

大根は発芽後に気温12度以下の環境にさらされると花芽を形成し始め、気温が上昇した時に「とう」が立って花を咲かせるという性質があります。

秋冬大根は気温が下がっていく時期に種をまくため「とうたち」の心配がありませんが、春まきの大根は気温が低い時期と高い時期にまたがるため、根が育つ前にとうが立ってしまうケースが少なくありません。

そのため、種をまくのは気温がある程度上がってから、晴天が続く日を選びましょう。

 

種をまく前の準備も重要です。気温が低いと元肥が地中に溶けだすまで時間がかかるので、少し早めに土を作ります。大根は下に伸びて育つため深く耕し、大きな石などは取り除いておきましょう。

地温を上げておくため、種まきの数日前までにはマルチフィルムをはります。

 

種まき後はビニールなどでおおってトンネル栽培にします。トンネル栽培にすることで保温して生育をうながせるだけでなく、低温でとうが立つのを防ぐことができます。

ただし、日中はトンネル内の温度が上がり過ぎることがあるため、種まきから本葉5~6枚までは35℃、10枚までが30℃、20枚までが25℃、それ以降は20℃を超えないよう、ビニールのすそを上げて換気する必要があるかもしれません。

また、トンネル栽培は土が乾きやすいので注意してください。

おすすめの品種

春大根の品種を選ぶときは「とうたち」しにくい品種を選ぶと失敗が少なくなります。種の袋に「とうたちが遅い」「晩抽性(ばんちゅうせい)」などの表記がある品種がおすすめです。

また、ミニ大根や短大根であればプランターを使って屋内で育てることも可能です。

 

【耐病総太り】

本来は秋まきの品種ですが、とうがたつのが遅くトンネルを利用すれば春まきも可能。成長が早くスが入りにくいため育てやすい大根です。

※ス:大根の繊維の間に隙間ができスポンジ状になること。主に水分不足が原因。

 

【時なし大根】

とうが立ちにくく病気にも強い辛味系大根です。長さ40cm程度に育つため深めに耕す必要があります。

 

【大師大根】

超晩抽性でとう立ちの心配がなく、葉数が少なく草丈も低いのでトンネル栽培に適しています。スが入りにくくしっかりと身が詰まった食感が特徴です。

 

【つくし春】

22~28cm程度にしか育たない短大根で、とう立ちが遅くスが入りにくい品種です。葉の数が少なく密植しやすいため、プランター栽培も可能です。

 

【紅三太】

標準的な根径は5cm、根長は15cmのミニ大根で、皮は赤く実は白いのが特徴です。コンパクトに育てられるためプランター栽培も可能で、とうもたちにくいので家庭菜園向きです。

まとめ

春まきの大根は、とうが立ちにくい品種を選ぶことと、種まき前後の温度管理が重要なポイントです。

また、マルチシートやトンネルを使った栽培が一般的ですが、品種や地域、気候によってはトンネルが必要ないケースもあります。

 

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