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つやのないボケナス、実が硬い石ナスなど、ナスの栽培でよくある悩みと原因・対策は?

水や肥料を好み収穫期間が長いナスは、さまざまな病気やトラブルが起こりやすい野菜の一つだといわれています。

順調に育っていたと思ったら突然立ち枯れてしまったり、花が咲いたと思っていたら実がつく前に落ちてしまったりすることが多いだけではなく、実がついたと思ってもボケナスや石ナスと呼ばれる状態になることもあります。

今回は、ナスの栽培でよくある悩みと原因・対策を紹介します。

ボケナスとは

ボケナスはツヤがなくボケたような色のナスのことで「艶無し果」とも呼ばれます。皮にハリがなく、触ると少し柔らかいのも特徴です。

 

【原因と対策】

ボケナスができる原因は主に「水不足」です。ナスは水を好む野菜であるだけではなく、収穫時期が気温の高い夏であるため、水分を多く必要とします。

また、実がたくさんつき続けていたり、株元に直射日光が当たったりして根が弱っていると、しっかり水やりを行っていても水を十分に吸い上げることができず、水不足を起こしてしまいます。

水分が少ないと成長速度が遅くなり、強い光にさらされる期間が長くなることで表皮のつやが失われます。

ボケナスができるのを防ぐためには「水を切らさないこと」が重要です。プランター栽培の場合は、特に水切れを起こしやすいため、気温が高い時期は朝夕二回水やりをするとよいでしょう。

また、株元に敷き藁をすることで地温の上昇を防ぐ、摘果するなどの方法で根の負担を減らすとよいでしょう。

石ナスとは

石ナスは名前の通り石のように固いナスのことで、実の一部が茶色に変色したり、艶のない状態になったりしているのが特徴です。

 

【原因と対策】

石ナスができるのは、主に受粉不良が原因です。通常、受粉しなかった花はそのまま落ちてしまいますが、受粉していないのに実がつき始めることがあります(単為結果)。受粉していないため、実の成長はすぐにストップしてそれ以上大きくならず、石のように固い石ナスとなってしまいます。

石ナスを防ぐには、受粉率を上げることが重要です。人工授粉を行ってもよいですが、受粉しやすい質の良い花がつくよう、肥料不足にならないよう追肥を行う、成長調整剤を使用するといった方法もあります。

また、固形の肥料は水がないと栄養分が溶け出さないため、施肥しているのに栄養不足を起こすことがあります。水切れを起こしていないかにも注意しましょう。

ナスが割れる

順調に育っていたナスが突然ぱっくりと割れる、表面にひび割れができるということがあります。

 

【原因と対策】

ぱっくりと割れるのは、急激な温度差や湿度差が主な原因です。そのため、日中と朝夕の寒暖差が大きい秋や、数日間晴れが続いた後に雨が降ったりすると実が割れてしまいます。気温が下がる時期は防寒対策を行い、雨が直接かからないよう注意しましょう。

また、ひび割れの原因は葉などが当たって表皮に傷がつき、その部分の成長が止まるために起こります。風除けを設置するなどして傷がつかないようにするとよいでしょう。

まとめ

ボケナスや石ナスは食用に適しませんが、割れたナスは生育自体に問題があったわけではないため、割れた部分を取り除くなどすれば、食べることができます。

しかし、美味しく食べられる実が減ることには変わりありませんので、水分や肥料、環境などに注意して上手に育てていけるとよいですね。

 

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