連作障害の回避に役立つ、土壌消毒とは? 太陽熱消毒、土壌還元消毒などその方法3つ。
プランターを使って花や野菜を育てている場合、新しい植物を植えるときは土をまるごと新しいものに入れ替えるのが一般的です。
しかし、土を新しく入れ替えるとコストがかさむだけではなく、古い土を処分するのに手間がかかるといったデメリットがあります。
このような悩みを解決するのが、古い土をリサイクルして使える状態にする「土壌消毒」です。
今回は、家庭でできる土壌消毒の方法を紹介します。
土壌消毒とは
土壌消毒とはその名の通り、土を消毒して植物の成長を阻害する病原菌や虫を死滅させることです。消毒を行った土を使えば古い土を使うことで起こるウイルス感染などを防ぐことができるほか、連作障害を回避することもできます。
土壌消毒は大きく分けて「物理消毒」「薬剤消毒」「生物消毒」がありますが、家庭菜園・プランター栽培の場合は「物理消毒」が適しています。
物理消毒の方法
物理消毒は、熱を使った消毒法です。大量の土の消毒には適していませんが、特別な薬剤などが必要なく安全で手軽に土を消毒出来ます。
【太陽熱消毒】
太陽熱消毒は、太陽の光を使って土を60度以上の高温状態にして消毒を行う方法です。直射日光が強く、気温が高い夏に適した方法です。
1:ビニール袋に土を入れ、できるだけ薄く平らに広げる
2:じょうろなどを使って土に水をたっぷり含ませる
3:袋の口を閉じ、日光が当たるコンクリートの上などに20日ほど置く。土の厚みによっては途中でひっくり返してまんべんなく光を当てる
4:水が蒸発して土がサラサラになったら完了
【土壌還元消毒】
土壌還元消毒は気温が低いシーズンや太陽熱を十分に当てられない地域などに適した方法です。微生物の力を使うため、匂いがするというデメリットがあります。
1:土に米ぬかやフスマを混ぜビニール袋に入れる
2:じょうろなどを使って土に水をたっぷり含ませる
3:袋の中の空気をできるだけ押しだして袋の口を閉じ、日光が当たるコンクリートの上などに20日ほど置く。土の厚みによっては途中でひっくり返してまんべんなく光を当てる
4:水が蒸発して土がサラサラになったら完了
【蒸気・熱水消毒】
蒸気・熱水消毒は高温の蒸気を当てたり、熱湯注ぐ方法です。まんべんなく熱を加える必要があるため、家庭で行う場合は土が少量のときに限られるでしょう。
土を使う前に
消毒を行った土は、病原菌などが死滅した状態ではありますが、土の構造が壊れ、栄養が失われた状態になっています。そのままでは水はけなどが悪く栽培に適していないため、赤玉土や腐葉土などを加えて土をふかふかな状態に戻し、元肥えを加えてから使いましょう。
まとめ
このほか、消毒用エタノールを使った方法もあります。エタノールを用意しなければならない、効果が不安定といったデメリットがありますが、消毒にかかる日数は同じくらいですので、太陽熱消毒や還元消毒が利用できない場合は、検討してもよいかもしれません。