梅雨明けにはトマトの裂果が多い?トマトの裂果防止方法を教えてください。
草勢や水分、肥料の管理が難しいといわれるトマト栽培には悩みがつきものですが、なかでも収穫前の実が割れてしまう「裂果」は必ずといっていいほど起こるトラブルです。
裂果したトマトは食味が落ちてしまうだけではなく、食べられなくなることもあるため、できるだけ防ぎたいものです。
トマトの裂果を防ぐにはどのような方法があるのでしょうか。
トマトが裂果する原因
トマトの裂果は病気などが原因ではなく、水分や温度といった環境の変化が主な原因です。
特に注意したいのが急激な水分量の変化で、乾燥した土に雨がたくさん降ったときなどは裂果が発生しやすくなります。
また、気温上昇や直射日光が原因で土が乾燥したり日焼けを起こしたり、高温障害で葉が萎縮したりすると裂果が起こることがあります。梅雨明けにトマトが裂果しやすいといわれるのは、気温上昇と日差しが原因であることが少なくありません。
また、秋ごろになると昼と夜の寒暖差が原因で裂果することもあります。
裂果防止法
トマトの裂果はさまざまな原因で起こりますが、基本的な防止法は「水分と温度の管理」です。
【適度な日よけを行う】
夏野菜で高温に強そうなイメージがあるトマトですが、その原産はアンデスの高地で、高温環境よりも冷涼な環境を好みます。
そのため、日差しが強い時期は高温障害を起こして葉が萎縮し、実が日焼けして割れてしまうことがあります。
また、強い日差しが当たると土が乾燥しやすく、乾燥が原因で裂果することもあります。
盛夏など日差しが特に強い時期は日よけを使ったり、プランター栽培の場合は直射日光が当たらない場所に移動したりするとよいでしょう。
【雨対策を行う】
乾燥状態の土に雨水が染み込むとトマトが急激に水分を吸収して裂果を引き起こすことがあります。
また、実に雨が当たって傷がつくと、傷が原因で割れることもあります。雨よけの設置や雨が当たらない場所に移動することで、雨による急激な水分量変化と傷の発生を防ぎましょう。
【水の量を急に変えない】
土が乾燥状態になり株が弱っているときなどは、水をたっぷり与えたくなるかもしれませんが、乾燥状態のトマトに大量の水を与えると水分量の変化が原因で裂果することがあります。
水やりは毎回同程度の量で行い、水分量を一定に保つようにしましょう。
また、土が乾燥しているときなどは一度に大量の水を与えるのではなく、毎日少しずつ水の量を増やしていくと裂果防止になります。
【裂果に強い品種を選ぶ】
裂果しにくい品種を選ぶというのも裂果防止法の一つといえるでしょう。
トマトは大きくなるほど管理が難しく裂果も起こりやすくなります。大玉品種ではなく、中型や小型品種を選ぶことで、裂果がしにくくなるだけではなく、収穫量も期待できるようになります。
また、大玉品種でも「ホームメイド大安吉日」「麗月」「桃太郎ワンダー」「パルト」などは裂果しにくいといわれています。
まとめ
トマトの裂果は収穫量低下を招くため、収穫量が少なくなる中玉以上の品種では特に防ぎたいトラブルです。梅雨明けの気温が上がるシーズンは特に裂果しやすいため注意が必要です。
水分や温度管理をしっかり行う、日よけや雨除けなどを適宜利用する、裂果しにくい品種を選ぶなどの方法で裂果を防ぎましょう。