「健康」・「美肌効果」のある長芋の初心者向け栽培の仕方とは?
カリウム、アミラーゼなど栄養を豊富に含む長芋は、古くから健康に良い食品と知られており、現在は美肌効果やデトックス効果があることでも注目されています。
家庭菜園では育てにくく、初心者には育てにくいといわれている長芋ですが、どのように栽培すればよいのでしょうか。
今回は長芋の初心者向け栽培の仕方を紹介します。
長芋の特徴
長芋は自然薯やイチョウ芋と同じ山芋の仲間で、名前の通り細長い形をしているのが特徴です。ほかの山芋の仲間に比べると粘りは少なめでサクサクとした歯ごたえがあり、家庭でも栽培しやすい短形種などの品種が開発されています。
植え付けの時期は気温が15度程度になる4月ごろで、日当たりと水はけの良い場所を選んで植え付けます。
畑での栽培が適していますが、短形種であれば深さ30cm以上のプランターや鉢でも栽培可能です。
長芋の育て方
長芋は植え替えなどを行わず種イモの植え付けから収穫まで同じ場所で栽培します。そのため、植える場所選びや土づくりが重要なポイントとなります。
【土作り】
長芋は下に向かって深く伸びるため、土を深く耕し、小石などを除去しとく必要があります。
深さ50〜70cm、幅15~25cm程度の溝を掘ってしっかりと耕し、小石などを取り除いたら、耕した場所がどこであるかわかるよう目印をつけて埋め戻し、元肥を施したら幅70cm、高さ10cm以上の畝を作ります。
酸性の土を嫌うので、pH6.0~6.5になるよう調節しておきましょう。
プランターや鉢を使う場合は市販の培養土で構いません。深さ30cm以上の容器を使用し、鉢底石を敷いて水はけを良くしておきましょう。
【植え付け】
深く耕した場所に深さ10cmほどの植え溝を掘り、株間が20~30cm程度になるよう種イモを置いていきます。その上にタネイモを置きます。種イモの向きをそろえて植え付けましょう。5cm程度土をかぶせ、土を押さえてください。
プランターなどで栽培する場合は、容器の縁から5cmほど空けて挿すように植えます。
【支柱立て】
地上部に目が出てきたら長さ150cm以上の支柱を立てて、ツルを上に誘引します。地面を這わせると病気の原因になることがあるので、できるだけ早い時期に行いましょう。
支柱は合掌式などにして倒れないようにします。支柱ではなくネットを使用してもよいでしょう。
【水やり・肥料・増土】
地植えの場合、夏に乾燥が続いた時をのぞいて水やりは基本的に必要ありません。プランターなどの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをします。
追肥は、植え付けから約60日後と7月下旬から8月上旬の2回行います。株元に化成肥料をまき、土と肥料をなじませるように軽く耕してから株元に土寄せをします。
プランターなどで栽培している場合は、6月下旬から8月にかけて、週に一回程度のペースで液肥を施しましょう。
また、水やりや降雨で株元の土が流れたときは、増土を行ってください。
【収穫】
10月中旬あたりから地上部が枯れはじめます。ツルが完全に枯れて10日程度経ってからが収穫適期です。株元の茎を切ってツルや茎を取り払い、支柱を引き抜いたら株元から30cm程度離れた場所を掘っていきます。長芋が見えたら注意しながら手で掘り起こしましょう。
まとめ
長芋は植え付けや収穫がやや難しいですが、管理作業自体は少なく、コツをつかめば初心者でも栽培できる作物です。
また、クレバーパイプという道具を使うと、収穫時に傷ついたり折れたりするのを防げます。家庭での長芋栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。
お詫びと訂正
当記事掲載時(2023年1月15日)に長芋に含まれる成分として、ムチンについての記述が有りましたが、ご指摘を受け精査し誤りが判明いたしました。お詫びとともに訂正いたします。
今後も知識の刷新と蓄積に努め正しい情報をお伝えできるよう精進してまいります。
またご指摘をいただきました関係者の方にお礼申し上げます。ありがとうございました。