低刈り・施肥・エアレーション、芝生を美しく保つ正しい順番とは?
青々とした芝生を育てるためには、適切なメンテナンスが欠かせません。その中でも、低刈り・施肥・エアレーションは特に重要な作業であり、適切な順番で行うことで芝生の健康を最大限に引き出すことができます。
この記事では、暖地型芝を対象に、春の更新作業を5つのステップに分けて詳しく解説します。芝生の生育環境を整え、シーズンを通して美しい芝を維持するためのポイントを押さえていきましょう。
更新作業の目的と適切な時期
芝生には休眠期間があり、冬の寒い時期には成長を止めます。春になり気温が上昇すると新芽を伸ばし始めますが、その際に芝生が成長しやすい環境を整えるのが更新作業です。
更新作業を行う時期
- 暖地型芝(高麗芝・ティフトン芝など):2月~4月(地温が15℃以上になる頃)
- 寒地型芝(ベントグラス・ブルーグラスなど):春と秋
更新作業では芝生に負担をかける作業も含まれるため、芝が休眠から明け、回復しやすい時期に行うことが大切です。では、具体的な作業の順番を見ていきましょう。
① 低刈りで芝をリセットする
冬の間に残っていた芝の葉は枯れ、蓄積するとサッチ(枯れ芝の層)になります。これが多いと、新芽の成長を妨げるため、まずは低刈りを行いましょう。
低刈りのポイント
- 通常よりも短く刈り込む
- 芝が休眠中の2月~3月に実施
- レーキで芝を起こし、枯れた葉を取り除く
低刈りを行うことで、日光が地面に届きやすくなり、新芽の成長を促すことができます。芝焼きの代わりとして、安全にリセットできる方法として取り入れられています。
② サッチングで不要物を取り除く
低刈り後には、芝の間に溜まったサッチを取り除く作業を行います。サッチが蓄積しすぎると、水や肥料が浸透しづらくなり、芝生の成長を妨げる原因となります。
サッチングの方法
- 専用のサッチングマシンやレーキを使用
- 芝生を張ってから1~2年以内は不要
- サッチの蓄積が1cm以上になったら実施
適度なサッチは芝生を乾燥や高温から守る役割も果たします。そのため、必要以上に取り除かないことも大切です。
③ エアレーションで土壌の通気性を改善する
サッチングが完了したら、次に行うのがエアレーションです。これは芝生の根元に穴を開けることで、通気性・排水性を改善し、根の成長を促す作業です。
エアレーションの方法
- 芝を張ってから2年以上経過した場合に実施
- 芝用フォークやローンパンチを使って穴を開ける
- 穴の中に目砂を入れ、土壌の通気性を向上
エアレーションは「根切り効果」もあり、根に刺激を与えて成長を促すことができます。ただし、根を傷つける作業でもあるため、除草剤の使用は1ヶ月ほど避けるようにしましょう。
④ 目土入れで保湿・保温を行う
エアレーションでできた穴を補い、芝生を保護するために目土入れを行います。
目土入れの効果
- 土壌の乾燥を防ぎ、保温する
- ランナーや新芽を保護し、発芽を促進
- 凸凹の補正(不陸修正)
目土を入れる際は、芝の葉が完全に埋まらないように注意し、深いへこみがある場合は、数回に分けて修正すると自然な仕上がりになります。
⑤ 施肥で芝生の成長をサポート
更新作業の最後に、芝生の芽吹きを促進するために肥料を施します。
肥料の選び方とタイミング
- 芝の休眠が明けた2月下旬~4月に散布
- 固形タイプの化成肥料(持続性が高いもの)を使用
- 施肥後は十分に水やりを行う
秋に施した肥料の養分を使って休眠から目覚めた芝生に、新たな栄養を与えることで成長を後押しします。
更新作業のポイントまとめ
作業 | 目的 | 実施時期 |
---|---|---|
低刈り | 新芽の成長を促す | 2~3月 |
サッチング | 不要な有機物を除去 | 必要に応じて |
エアレーション | 土壌の通気性向上 | 2年目以降に実施 |
目土入れ | 保湿・保温・不陸修正 | エアレーション後 |
施肥 | 成長促進 | 2~4月 |
まとめ
芝生の更新作業は、低刈り→サッチング→エアレーション→目土入れ→施肥の順番で行うことで、最大限の効果を発揮します。
特に低刈りやサッチングは芝生の健康を左右する重要なポイントであり、適切に行うことで新しいシーズンの芝生の生育が大きく変わります。また、エアレーションと目土入れを適切に施し、根の健康を維持することで、芝生全体の品質を高めることができます。
芝生の成長シーズンを迎える前に、しっかりと環境を整えて、美しく青々とした芝生を育てていきましょう!