寒い冬の庭で凛とした花を咲かせる「クリスマスローズ」。
寒さに強く丈夫ですが、日本の「高温多湿な夏」が苦手という性質があります。
失敗を防ぐための「夏越しのコツ」と「季節ごとの管理」を、園芸のプロがわかりやすく解説します。

クリスマスローズの特徴と育成のポイント
クリスマスローズは、冬から早春にかけて咲く多年草です。
寒さに非常に強く、0℃近い気温でも花を傷めません。ただし、寒さが厳しい地域では霜よけをしておくと安心です。
また、強い光を必要としないため、半日陰や明るい日陰でも育ちます。
一方で、高温多湿が苦手なため、「冬は日光浴、夏は涼しい日陰」への切り替えが、毎年咲かせるためのポイントです。
基本の育て方
1. 置き場所(日当たり)
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10月〜4月(生育期)
柔らかい日が当たる場所に置きましょう。日光に当てるほど花数が増えます。 -
5月〜9月(休眠期)
風通しの良い「明るい日陰」に移動させます。直射日光は厳禁です。
2. 水やり
「土の表面が乾いたらたっぷりと」が基本です。 常に湿っていると根腐れの原因に。
特に夏場は成長が止まるため、水やりは控えめに。
3. 土と肥料
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土
市販の「クリスマスローズの土」など、水はけの良いものを選びましょう。 -
肥料
成長期(秋と春)に緩効性肥料や液肥を施肥しましょう。夏は根が活動しないため与えません。
四季の管理術
【冬〜早春】開花シーズン
日光に当てるほど花数が増えます。
咲き終わった花は、種ができる前に根元から切り取り、株の体力を温存しましょう。
【春】来年の準備
春は来シーズンに向けての準備期間です。
花茎を根元からカットし、花後のお礼肥を与えます。根詰まりしている場合は、3〜4月(または秋)に植え替えを行いましょう。
【夏】夏越し
高温多湿を避ける「夏越し」がクリスマスローズ育成の最大の課題です。
直射日光と蒸れを避けて「枯らさないこと」が目標です。 鉢植えは涼しい日陰へ移動し、水やりは乾燥気味に保ちます。
【秋】成長再開
成長再開のサインです。傷んだ古い葉を根元から切り取り、風通しを良くしましょう。同時に肥料を与え始めます。
花が咲かない原因と対策
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光不足
葉が濃すぎる場合は光不足です。冬はしっかり日光に当てましょう。 -
根詰まり
2〜3年で根詰まりするため、秋か春にひと回り大きい鉢へ植え替えましょう。 -
肥料不足・夏のダメージ
秋の肥料を忘れたり、夏に葉焼け・蒸れたりすると、翌年の開花に響きます。
地植えと鉢植え
初心者は移動がしやすく管理しやすい鉢植えがおすすめです。
地植えにするなら、落葉樹の下など、夏に日陰になる場所が理想的な環境です。
基本のコツさえ押さえれば長く美しく咲く
クリスマスローズは「夏は涼しく休ませる」ことさえ意識すれば、毎年冬の庭を美しく彩ってくれます。
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