肉厚で甘く、アクがない縮みほうれん草の育て方について。
ほうれん草は春、夏、秋の3回種をまける作物で、ほぼ一年中栽培と収穫が可能です。なかでも、秋に種をまいて冬に収穫するほうれん草は、真冬の寒さに当たることで葉が分厚く、葉が縮れた状態になることから「縮みほうれん草」と呼ばれています。
アクがなく甘みのある縮みほうれん草は、地植えはもちろんプランターでの栽培もできるので栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。
種まき・土づくり
縮みほうれん草は、種を直まきして間引きながら育てるのがおすすめです。
ほうれん草は酸性土壌を嫌うため、必要に応じて石灰をまいて土をアルカリ性寄りに調節してください。石灰をまいた場合、元肥を混ぜるのは一週間ほど間をあけてからにしましょう。
元肥を混ぜたら高さ10cmほどの畝をたてください。プランター栽培の場合は深さ20cmほどのプランターと市販の培養土を使うとよいでしょう。
種まきは深さ2cm程度の溝に1cm間隔で種をまく筋まきにします。土が乾燥しないよう不織布や敷き藁、もみ殻などをかけてたっぷり水やりしてください。縮みほうれん草の種か、秋まき用の種を使いましょう。
防虫と防寒
秋は虫が少なく活動もあまり活発ではないため、春まきや夏まきに比べると害虫の心配をする必要が少ない時期です。しかし、種をまいてすぐの時期は比較的暖かく、虫がつくことがあるので防虫対策を行っておくとよいでしょう。
また、縮みほうれん草は寒さに当てて育てる作物ですが、株が小さい時期に強い寒さに当たると枯れてしまうため、初期は特に防寒をしっかり行う必要があります。
種をまいたら防虫と防寒を兼ねて寒冷紗をトンネル掛けしておくとよいでしょう。
間引き
本葉が1〜2枚出たら株と株が3〜4cm間隔になるように間引きを行い、株元に軽く土を寄せてください。
株を大きくしたい場合は本葉が4~5枚程度になったら、株間が5~6cmになるようもう一度間引きするとよいでしょう。
間引いた葉は食べることができます。
追肥と水やり
追肥は草丈が5cmをこえたころに1回、その後は10cm以上に育ったら二週間に一度程度のペースで追肥を行うとよいでしょう。
水やりは、プランター栽培の場合は土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。
地植えの場合、苗が小さいときや乾燥が続くときなどに適度に与えるとよいでしょう。
収穫
品種などによりますが、草丈が20cmほどに育ったら収穫のタイミングです。収穫の10日~二週間前に防寒資材を外して寒さに当て、収穫します。株ごと抜いて収穫してもよいですが、ハサミを使って根と株を切り離して収穫してもよいでしょう。
まとめ
縮みほうれん草は、味噌汁、おひたし、鍋などさまざまな料理に使えます。種まきから30~40日程度で収穫でき、管理も簡単なので初心者でも手軽に育てることができます。