コンパクトで狭い室内でも楽しめる多肉植物。リトープスなど、冬型女仙(メセン)の代表的な品種と育て方について。
ぷっくりとした葉が特徴的な多肉植物は、成長時期によって「春秋型」「夏型」「冬型」に分けることができます。春秋型や夏型の多肉植物も人気がありますが、冬型の多肉植物は緑が少ない冬に元気な姿を見せてくれることから人気が高く、コンパクトな鉢植えなどで楽しむ人も少なくありません。
中でも、冬型の品種が多い「女仙」と呼ばれるハマミズナ科の植物は見た目が個性的で多肉植物愛好家にも好まれています。
今回は、冬型女仙の代表的な品種と育て方をご紹介します。
リトープス属
リトープスは石のような見た目と春先に脱皮して大きくなるという変わった成長過程から、人気がある冬型女仙の代表的な属です。日輪玉、富貴玉、花紋玉、瑞光玉、トップレッド、アルビニカ、レッドオリーブ、青磁玉、李夫人など品種が豊富で、11~1月ごろに花をつける種類もあります。
日当たりと風通しの良い場所、水はけのよい土を好みますので、多肉植物専用の土に植えて涼しい半日陰で育てるとよいでしょう。気温が3度を下回る時期は屋内の窓辺が適しています。
水やりは、10月から1月にかけては週に一回程度たっぷり与え、脱皮を始める2月から4月ごろは月に一回程度、休眠期に入る5月ごろから水やりを減らし、夏場は完全に断水するとよいでしょう。
コノフィツム属
コノフィツム属はリトープスに並ぶ冬型女仙の代表的な属で、丸い宝石ような見た目が美しいブルゲリ、足袋のように先が二股に分かれた銀将、金鈴、黄金玉など色や形の異なるさまざまな品種が存在します。
高温多湿に弱いため、屋外に置くときは雨が当たらない場所を選んでください。気温が2度以下になる時期は室内などに取り込みましょう。
コノフィツムは水やりが難しく、10月ごろから二週間に一回、11月~3月は週に一回、4月頃から二週間に一回、休眠期に入る5月以降は月に一回程度水やりをするのが目安ですが、生育期であっても土が乾燥していなければ水やりしない、大型品種は6~9月はほぼ断水したほうがよいなど、土や葉の状態をみて管理する必要があり、リトープスに比べると栽培難易度が高めです。
モニラリア属
モニラリア属は玉から二本の葉が伸びてウサギの耳のような形になり、その見た目の可愛さから人気がある属です。オブコニカ 、碧光環、ピシフォルミス、翠冠玉、クリソレウカなどの品種がありますが、流通量が少なく育て方もよくわかっていません。
基本的にはコノフィツムと同じ育て方をしますが、コノフィツムよりも水やりは控えめにします。生育期でも土がカラカラになって鉢が軽くなってから、休眠期は完全に断水するか、月に一度霧吹きなどで軽く湿らせる程度がよいといわれています。
まとめ
品種や属によって育て方に違いはあるものの、基本は日当たりと風通しの良い場所に置き、10~4月には土が乾燥したら水やりを行い、休眠期の夏は断水するか、霧吹きなどで湿らせる程度に水やりをするという方法で育てます。
夏は茶色く枯れたような状態になるものもありますが、枯れたように見えるのは休眠期の姿なので、慌てて水やりをしたり捨てたりせず、秋まで見守るようにしましょう。