開店祝いや新築祝いなどでもらうことがある胡蝶蘭は、花もちが良く長く楽しめる一方、花が終わると長い茎だけが残ってなんだか寂しい感じになってしまいます。
花が咲き終わったら処分するという方もいますが、実は胡蝶蘭はとても寿命が長い植物で、花後(かご)の管理が良ければもう一度花を咲かせることができるんです。
今回は、胡蝶蘭をもう一度楽しむための管理方法と、長く健康に育てるための正しいお手入れのコツを分かりやすく紹介します。
胡蝶蘭をもう一度咲かせる2つの育て方
数ヶ月後に楽しむ「二度咲き(二番花)」
年内にもう一度花を楽しみたい場合は、「二度咲き(二番花)」がおすすめです。これは、数ヶ月後という短いスパンで再び美しい花を鑑賞できる方法です。
【やり方】
1.茎をカットする
花がまだ数輪残っているうちに、茎の根元から3節目の約2cm上をカットします。
2.適切な環境で管理する
株が健康な状態で、気温が20℃以上に保たれた場所に置いて管理しましょう。
上手くいけば、カットした節の部分から新しい芽が伸びて再び花を咲かせてくれます。
ただし、二度咲きは株に大きな負担がかかるため、一番花に比べて花の数が少なくなったり翌年に花が咲かなくなったりするリスクがあります。
株に負担をかけたくない方は、次の株を休ませる選択肢を選ぶとよいでしょう。
株を休ませて来年大きく咲かせる「翌年の花」
年内ではなく、翌年にもう一度楽しみたいという場合は、じっくり株を休ませる方法があります。この方法をとることで、葉や根の成長に集中することが出来るため、翌年にも一番花のような立派で大きな花を再び楽しむことができます。
【やり方】
花が完全に終わる前の少し綺麗なうちに、茎を根元からカットします。
花がすべて終わってからカットしてもよいですが、花をつけている期間が長いほど株の体力が消耗し、翌年に花を咲かせにくくなってしまいます。立派な花を咲かせたい場合は、早めにカットして株の体力を残してあげることがポイントです。
胡蝶蘭の植え替えが必要な理由とベストな時期
ギフト用の胡蝶蘭は「寄せ植え」になっている
胡蝶蘭は、一株から一本しか茎が出ない植物です。しかし、ギフト用は見た目を華やかにするために、一つの鉢に複数の株を詰め込んだ「寄せ植え」状態になっています。
通気性や水はけがとても悪い状態なので、このまま放置すると、根詰まりや根腐れを起こしてあっという間に枯れてしまいます。
そのため、もう一度花を咲かせたい場合は、この寄せ植えをバラバラにして一株ずつ別々の鉢に分けて育てなければなりません。
これをしないと次の花を咲かせる体力を作れないため、ご自宅で長く健康に育てて次の花を楽しむときは、植え替えをしてあげることから始めましょう。
基本の適期は4月〜6月!花後は「できるだけ早く」が鉄則
胡蝶蘭の植え替えに最も適した時期は、気温が安定する4月〜6月です。そのため、花が終わった「季節」に合わせて対応を変える必要があります。
春〜初夏に花が終わった場合はすぐに植え替えて大丈夫ですが、秋や冬に花が終わった場合は要注意です。寒い時期の植え替えは株へのダメージが大きく、枯れてしまう危険性が高くなります。
秋冬に花が終わったときは、まず大きな鉢(寄せ植え)を解体して個別のポリポットを取り出し、通気性を確保した状態で室内の暖かい場所(最低15℃以上)で管理してください。
そして、暖かくなる春を待ってから本格的な植え替えを行います。なお、胡蝶蘭はもともとジャングルの木に根を張って生きている植物です。
根がたくさんの空気を必要とするため、普通の土に植えると窒息して根腐れを起こしてしまいます。そのため、植え替えには空気を含みやすい水苔やバーク(木のチップ)を使用するのが鉄則です。
【初心者でも安心】胡蝶蘭の正しい植え替え
植え替えをスムーズに行うための事前準備
植え替えをスムーズに進めるために、まずは以下のものを準備し、下処理を済ませておきましょう。
新しい水苔:
使用する前日に水に浸してしっかりと吸水させておき、手でギュッと絞ると水が数滴したたる程度の固さに戻しておきます。
鉢と防虫網:
一株に対して一鉢(通気性の良い素焼き鉢などがおすすめ)用意し、鉢底に防虫網などを入れておきます。
ハサミやピンセット:
ハサミやピンセットなどは、使用前に消毒しておきましょう。
ライターの火で刃先を少し炙るか、園芸用の専用ウイルス消毒剤(第三リン酸ナトリウム水溶液など)に浸すことで、植物の病気の感染を防ぐことができます。
1.支柱の取り外しと株の取り出し
支柱に巻き付いているテープなどを切り取り、支柱の根元を指でしっかりと押さえながら、ゆっくりと上へ引き抜きます。
ポリポットに入っている場合は、根などを傷つけないように注意しながら、ハサミなどでポリポットを切り開いて株を取り出します。
2.古い水苔の除去と根の整理
根を傷つけないように注意しながら、絡み合っている株を優しく1株ずつに分けます。
古い水苔を優しく取り除きながら根の状態をチェックし、黒くなった根や傷んだ水苔があれば、ハサミなどで取り除いてください。
※健康な根は白や緑色で硬さがあります。
3.新しい水苔での巻き付けと鉢植え
古い水苔を取り除いて根がドーム状に空洞になったら、新しく丸めた水苔の玉を、根で包み込んだような状態にします。
根の周りを新しい水苔で包み、用意した鉢のサイズよりも少し大きめになるくらいまで巻いていきます。
株を優しくねじるようにしながら鉢に入れ、ピンセットなどを使って隙間に水苔を詰め、株が鉢から簡単に抜けないようにしっかりと固定します。
植え替え後の管理と日常のお手入れ
植え替え直後(最初の10日間)の過ごし方
植え替え直後から10日〜2週間程度は、葉に霧吹きをする程度にして、日陰で管理してください。
植え替えによって根には目に見えない傷がついています。この状態で水を吸わせると、傷口から菌が入って根腐れを起こしやすくなります。あえて水を与えないことで、胡蝶蘭自身が生きようとして新しい根を伸ばし、しっかり根付くようになります。
季節ごとの置き場所
しっかり根付いた後は、季節に応じた適切な場所に置いて管理します。
春〜秋:風通しが良い屋外の日陰に置きます。夏の強い直射日光は葉焼けを起こして株を弱らせるため厳禁です。
冬:寒さに弱いため室内に取り込み、日中と夜間の気温差が少ない場所に置いてください。特に冬の夜間の窓際は急激に冷え込むため、部屋の中央へ移動させるなどの工夫をしましょう。
失敗しない水やりのコツ
胡蝶蘭の水やりは、毎日少しずつ与えるのは絶対にNGです。
必ず、水苔が完全に乾いたタイミングを見計らって、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えてください。
「完全に乾かす期間」と「たっぷり水を与える期間」のメリハリをつけることが、根を健康に保ち、根腐れを防ぐ最大の秘訣です。
まとめ|大切な胡蝶蘭を長く楽しむために
胡蝶蘭は、気温や湿度などの環境が合っていないと枯れてしまったり、品種によっては二度咲き(二番花)がしにくいことがありますが、頻繁に水やりをする必要がなく、枝の剪定などもしなくてよいため、コツさえ掴めば日常の管理は比較的簡単です。
お祝いでいただいて役目を終えたからと処分してしまう前に、大切な贈り物だからこそ、ぜひ二度咲きや翌年の開花に挑戦してみてはいかがでしょうか。
グリーンワークスでは、大垣市で種や肥料、造園資材などを幅広く取り扱う農芸屋を営んでいます。胡蝶蘭を育てる際に必要な道具がありましたら、お気軽にお立ち寄りください。