育てた植物に虫がつくのはなぜ?効果的な病害虫対策について。
アブラムシやヨトウムシなどの害虫や、べと病や黒斑病などの病気は花や作物に大きなダメージを与え、ときには枯れてしまう原因となります。病害虫が発生したら、被害が拡大しないよう速やかに対処することが重要ですが、それ以上に重要なのが病害虫を発生させないことです。
今回は、農薬を使わない効果的な病害虫対策をご紹介します。
病害虫が発生する原因
病害虫の被害を防ぐためには、病害虫が発生しにくい環境を作ることが大切です。しかし、病害虫と一言にいってもその原因や種類は様々であるため、「こうすれば全ての病害虫を防げる」といった方法はありません。
ただし、病気にかかりやすい、害虫被害に遭いやすい条件や状態、環境などは共通していることが多いため、それに合わせた対策を行うことで多くの病害虫を防ぐことができます。
特に、植物の病気はカビが原因となることが多いため、カビが発生しにくい環境を作る事が発生予防に有効です。害虫の場合、虫によって発生原因や対策などが異なりますが、害虫が隠れる場所があると発生・繁殖しやすくなります。
薬剤を使わない予防と対策
病気の治療や害虫が大発生した時などは薬剤を使う必要性があるかもしれませんが、発生予防と対策であれば薬剤を使わなくてもできることがあります。
【適度な剪定】
多くの病気の原因になるカビを防ぐためには風通しを良くすることが大切です。葉や枝が込み合っている状態では病気が発生しやすいだけではなく、接触や水滴などによって感染が広がりやすくなりますので、適度な剪定を行い、湿度が高くなるのを防ぎましょう。剪定は害虫の隠れ場所を減らしたり、害虫を発見しやすい状態にしたりする効果もあるため、病害虫両方の予防・対策になります。
【水や肥料をやり過ぎない】
水や肥料を与え過ぎると根腐れや肥料焼けが起こり、株が疲れて病気にかかりやすくなります。
さらに、湿度が高くなってカビが発生しやすくなる、土の栄養が偏ることで特定の害虫やウイルス病が発生しやすくなるなど、さまざまなトラブルの原因になります。水と肥料をたくさん与えたほうがよく育ちそうなイメージがありますが、与え過ぎるとかえって逆効果です。水や肥料をやり過ぎないよう注意しましょう。
【防虫ネットなどを使う】
害虫は外部から飛来することもあるため、発生を防ぐだけではなく害虫を寄せ付けない対策も必要となります。防虫ネットや防虫テープ、マルチなどの資材を使って害虫がつくのを未然に防ぎましょう。また、ハーブなど虫が嫌う植物をコンパニオンプランツとして植える方法もおすすめです。
【病害虫に強い品種や苗を選ぶ】
特定の病気にかかりやすい、特定の害虫の被害に遭いやすい植物を育てる場合は、品種改良などで耐病性を高めた品種を選んだり、接ぎ木苗を使うことで病害虫の被害に遭う可能性を下げることができます。ただし、耐病性の品種や接ぎ木苗だから被害に遭わないというわけではないため、ほかの病害虫対策法と組み合わせて行うとよいでしょう。
まとめ
このほか、「連作を避ける」「新しい土を使う」「古い土は消毒して使う」などの方法も病害虫を予防する方法として有効です。栽培する植物や栽培環境などによってどのような対策が必要か、どの程度の対策が必要かは変わりますので、対策に悩んだときは園芸店のスタッフなどに相談するとよいでしょう。