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移植で落葉樹を失敗させないコツってある?

庭木の移植は、多くの庭愛好家が直面する挑戦の一つです。特に、大切な庭木を健康に保ちながら新しい場所へと移植することは、簡単なようでいて実は多くの注意を要する作業です。その中心にあるのが「根回し」というプロセスです。では、根回しは本当に必要なのでしょうか?そして、自分で行う場合の注意点は何でしょうか?

この記事では、根回しの必要性、対象となる樹木の特徴、そして正しい作業方法について解説します。庭木を健康に移植させるための秘訣を、当社園芸スタッフの知識をもとに紐解いていきましょう。

 

根回しの必要性とその効果

根回しとは、移植予定の樹木の伸びた根を切断し、新しい細根を幹の近くで発生させるための作業です。細根は樹木が水分や養分を吸収するために不可欠であり、移植に際してこれらの細根を切断すると、樹木の生存に必要な吸収機能が低下してしまいます。そのため、移植前の根回しは、樹木が新しい環境に適応し、健康的に成長するために極めて重要なプロセスと言えます。

移植前に根回しが必要な庭木の特徴

根回しの必要性は樹木の種類によって異なりますが、一般的に以下の特徴を持つ樹木が該当します。

  • 樹高が2m以上
  • 植え付けてから5年以上経過している
  • 常緑樹の品種

これらの樹木は、細根が幹から離れた場所に広がっていることが多く、移植時にこれらの根を切断することで、樹木が養分を吸収する能力を損なうリスクが高まります。

根回しの作業方法と使用する道具

根回し作業には以下のステップがあります。

  1. 表土を剥いで観察する: 移植予定の樹木の周囲の土を剥ぎ取り、根の張り具合を確認します。
  2. 周りを掘って根を切断する: 根鉢を決定し、その範囲で根を切断します。この際、太い根は残し、細根を中心に切断します。
  3. 発根促進剤を使用する: 切断した根の部分に発根促進剤を塗布し、新しい細根の発生を促します。

 

使用する道具は以下の通りです。

  • 剣先スコップ: 硬い地面でも掘りやすい形状です。
  • ミニバックホー: 広範囲の掘削作業に適しています(必要に応じて)。
  • はさみ、ナイフ: 細根の切断や根の皮を剥ぐ作業に使用します。

まとめ

庭木の移植は計画的に、そして慎重に行う必要があります。特に根回しは、樹木が新しい場所で健康に成長するための重要なプロセスです。樹木の種類や状態をしっかりと評価し、必要な作業を正確に実行することで、移植成功の可能性を高めることができます。不安な点があれば、当社園芸スタッフに相談するのも一つの方法です。大切な庭木を守り、新しい環境でも美しく育てましょう。

 

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