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芝の刈り込みはいつがベスト?暖地型と寒地型でタイミングが違う理由とは?

庭や公園、公共の広場に広がる美しい芝生は、私たちの心を和ませてくれます。しかし、その美しさを保つためには、定期的な芝刈りが欠かせません。芝刈りは、芝生を健康的に維持するための基本的な作業のひとつで、正しいタイミングや方法で行うことが重要です。特に、芝生の種類(暖地型芝生と寒地型芝生)によって成長時期が異なるため、それぞれに適した芝刈りの時期を知ることが大切です。

この記事では、芝生の種類ごとの適切な芝刈り時期や、初めて芝刈りを行う際の注意点、さらに用途に応じた芝生の適切な長さと管理方法について解説します。

 

1. 芝生の種類による芝刈りの時期

芝生は大きく分けて、暖地型芝生寒地型芝生の2つに分類されます。これらの種類ごとに、成長期や休眠期が異なるため、芝刈りのタイミングも変わってきます。

 

1.1 暖地型芝生の芝刈り(5月~10月)

暖地型芝生は、ティフトン芝高麗芝野芝などが代表的です。これらの芝生は、気温が25℃以上の暖かい気候で旺盛に成長し、逆に寒くなる冬には休眠期に入り、芝が茶色く変色します。

  • 成長時期: 5月~10月
  • 休眠時期: 冬(12月~4月)

暖地型芝生は、春から秋にかけて成長し、夏場は特に大きく成長します。そのため、芝刈りの適期は5月から10月にかけてです。芝刈りを定期的に行うことで、芝生の密度が高まり、均一で美しい芝生に仕上がります。冬になると茶色くなりますが、これは一時的な冬眠状態であり、春になると再び緑が戻ります。

 

1.2 寒地型芝生の芝刈り(3月~11月)

寒地型芝生には、ケンタッキーブルーグラスベントグラスなどが含まれます。これらは、15℃~20℃程度の涼しい気候を好み、春と秋に成長が盛んになりますが、寒冷地でも生育可能です。

  • 成長時期: 3月~11月
  • 休眠時期: 冬(12月~2月)

寒地型芝生は、暑さに弱いため、夏の30℃以上の気温が続くと、芝が傷むことがあります。夏の間は長さを微調整しながら、過度に刈りすぎないよう注意が必要です。春と秋の成長期には、こまめに芝刈りを行うことで、密度の高い芝生を維持します。

 

2. 初めての芝刈りを行う際の注意点

芝を植えたばかりの頃や、種から育てた場合、根がしっかり張っているかどうかを確認してから芝刈りを行うことが大切です。根が浅い状態で芝刈りを行うと、芝が剥がれたりダメージを受けてしまう可能性があります。

 

2.1 根が張っているか確認する方法

  • 苗から育てた場合: 芝を軽く引っ張ってもはがれない場合、根がしっかりと張っている証拠です。
  • 種から育てた場合: 芝が7cm以上の長さになり、芽が3本以上に分かれていれば、根が十分に張っていると判断できます。

 

2.2 初回の芝刈りのポイント

初めての芝刈りは、刈り高に注意が必要です。芝全体の2/3~半分を刈るのが理想的です。また、芝は均一に成長しないため、長く伸びている部分に合わせて刈るようにします。短すぎる部分に合わせてしまうと、全体のバランスが崩れてしまいます。

 

3. 芝生の用途に応じた適切な長さとスケジュール

芝生を美しく保つためには、用途や目的に応じた適切な長さで定期的に芝刈りを行うことが重要です。ゴルフ場や庭、観賞用など、芝生の使用目的に応じて刈り高の目安を把握しておきましょう。

 

3.1 用途ごとの刈り高の目安

  • ゴルフ場のグリーン(ベントグラス): 5mm
  • 庭や観賞用(ベントグラス): 10~15mm
  • ビバターフ(ケンタッキーブルーグラス): 25~30mm
  • ジョイターフ(トールフェスク、ケンタッキーブルーグラス混合): 30~35mm

 

3.2 芝刈りの頻度とスケジュール

芝は、成長したと気づいてから刈るのではなく、適切な成長を見越して定期的に刈ることが大切です。

  • 10mmに刈り揃える場合: 15~20mmに伸びたら芝刈りを行います。
  • 15mmに刈り揃える場合: 20~30mmに伸びたら芝刈りを行います。
  • 20mmに刈り揃える場合: 30~40mmに伸びたら芝刈りを行います。

 

4. 芝刈りを美しく仕上げるためのポイント

芝刈りを行う際は、端や隅まできれいに刈り込むことが、美しい芝生を維持するための重要なポイントです。大きな芝刈り機では細かい部分まで刈り込むのが難しいため、バリカンなどを使って仕上げを行うとよいでしょう。

また、クロスカットと呼ばれる方法も効果的です。一方向に刈った後、90度反対方向にも芝刈りを行うことで、均一で美しい芝生に仕上げることができます。

 

5. 雨の日や雨上がりの芝刈りは避けるべき理由

芝刈りは、芝が完全に乾いている状態で行うのが理想です。雨の日や雨上がりに芝刈りを行うと、以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 機械トラブル: 芝刈り機が水を吸い込み、故障や感電のリスクが高まります。
  • 仕上がりが悪くなる: 芝生が濡れていると、芝が倒れて刈りにくく、結果的にムラができやすくなります。
  • 安全性の問題: 濡れた芝生は滑りやすく、作業中に転倒するリスクも高くなります。

特に梅雨の時期など、雨が続く場合には、短い晴れ間を見つけて芝刈りを行うことが求められます。

 

6. 芝刈りを行う適切な時間帯

芝刈りは、騒音や作業者の健康にも配慮して行う必要があります。

  • 騒音対策: 早朝や夜の時間帯に芝刈りを行うと、近隣住民への騒音トラブルにつながる可能性があるため、避けるべきです。
  • 熱中症対策: 真夏の炎天下で芝刈りを行うのは、作業者の体にも大きな負担がかかります。涼しい午前中や夕方に作業するのが安全です。

 

まとめ

芝生を美しく保つためには、適切な時期に芝刈りを行うことが重要です。芝の種類によって成長する時期が異なるため、暖地型芝生は5月から10月、寒地型芝生は3月から11月が芝刈りに適した時期となります。初めての芝刈りは、根がしっかりと張ってから行い、適切な刈り高を守ることが大切です。また、用途に応じた理想的な長さに芝を揃えることで、芝の密度が高まり、より美しい見た目を保つことができます。雨の日や湿った状態での芝刈りは避け、芝が乾いているときに行うことが望ましいです。さらに、騒音や熱中症対策を考慮し、芝刈りを行う時間帯にも配慮しましょう。適切な手入れを続けることで、長期間美しい芝生を楽しむことができるでしょう。

 

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