これからの夏を乗り越える!暑さに負けない盆栽の育て方ポイント3選
「夏になると盆栽の元気がなくなる…」そんなふうに感じたことはありませんか?特にここ数年の酷暑は、繊細な盆栽にとって大きな負担となっています。
この記事では、真夏でも盆栽を元気に保つための基本的な育て方を、わかりやすくご紹介します。
夏に盆栽の元気がなくなる理由とは?
夏に盆栽の元気がなくなる主な原因は、強い日差しと高温です。盆栽は小さな鉢で育てられるため、水分がすぐに蒸発してしまい、水切れを起こしやすくなるのです。
また、風通しが悪い場所では鉢の中が蒸れてしまい、根腐れの原因にもつながります。
こうした根や葉の傷みを防ぐため、暑い季節に合ったやさしい育て方を意識することが大切です。
夏の盆栽の育て方ポイント3選
1.置き場所の工夫
直射日光をさけて、風通しのよい半日陰に移動しましょう。朝日がのぼる時間帯だけ日光が当たる場所に置くことで、光合成をしながらも午後の強い日差しを避けられるのでおすすめです。
日中の強い日差しには、寒冷紗などで日よけをすると、盆栽への負担がぐっと軽くなります。特にモミジやケヤキのような葉が傷みやすい雑木類などには、この工夫が元気に育つコツになります。
2.水やりのタイミング
水やりは、気温が低い朝と夕方がベストです。気温が高い日中に水やりをすると、水がお湯のようになり根を傷める原因になるため、避けましょう。
土の表面を指で軽く触り、乾いていたらしっかりめに水を与えると安心でしょう。
3.肥料とお手入れは控えめに
盆栽も人間と同じく夏バテをするため、木が疲れている夏の時期に肥料を与えすぎると、かえって根に負担をかけてしまいます。肥料を控えるのが安心ですが、木に十分な元気があるときは様子を見ながら、薄い液体肥料や活性剤を少量だけ与える程度にしましょう。
剪定は最低限にとどめ、枯れた葉をそっと取り除くくらいのお手入れにしておきましょう。
夏越しを助ける工夫と注意点
水やり後は”受け皿”を確認
水やりの直後と翌朝には受け皿の水を確認して、残っていれば捨ててください。水が溜まったままだと、根腐れの原因や、ボウフラなどの虫の発生源にもなってしまいます。
保湿と風通しの確保
鉢の表面に苔や腐葉土を敷くと水分が蒸発しにくくなります。ただし敷くだけでは、高湿度のときにカビ・病気の温床になることもあるため、苔の管理と草抜きも欠かさず行いましょう。
複数の鉢を並べるときは通気性のよい棚を使って、通気性を確保する工夫をすると安心です。
病害虫のチェック
高温多湿な夏は、病気や害虫が発生しやすい時期です。葉や枝に元気がない、色が変わっていると感じたら、すぐにチェックしましょう。
早めに気づくことで、大きなトラブルを防ぐことができます。
暑さに強い?弱い?耐性の違い
松柏類
松柏類(しょうはくるい)は、雑木類に比べて暑さや乾燥に強く、管理がしやすいため初心者におすすめです。
日光をよく好みますが、水切れには注意して、基本を守りながら育てましょう。
主な樹種:
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黒松(クロマツ)
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五葉松(ゴヨウマツ)
- 真柏(シンパク)
そのほかの松柏類の種類や魅力について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
※盆栽向けのマツ類について、種類・育て方・剪定方法などが詳しくまとめられています。
雑木類
雑木類(ぞうきるい)は、葉が薄く広いことで、葉焼けや水切れを起こしやすいため、より繊細な管理で元気に育てることができます。
直射日光に長く当てないようにし、水やりや葉の状態の観察を丁寧に行うと安心です。
主な樹種:
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モミジ
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カエデ
- ケヤキ
育成には”無理をさせない”管理を
夏は盆栽に無理をさせないことを心がけましょう。肥料や剪定は控えめにして、環境と水分の管理を丁寧に行うことで、元気に夏を乗り越えることができます。
グリーンワークスでは、庭木やお庭で役立つ情報を幅広く発信しています。
夏だけでなく、普段の松のお手入れについても知りたい方は、こちらもおすすめです。
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