育てやすい上に栄養も豊富なパセリ。ベランダ栽培のコツと収穫後の長期保存方法について。
スープやサラダなどに活躍するパセリは、ビタミンAやCを豊富に含むセリ科の香味野菜です。しかし、日本では「食材」というより「料理の付け合わせ」「飾り」といったイメージが強いせいか、生のパセリは入手が難しかったり、鮮度があまりよくなかったりします。
実は、パセリはプランターや鉢で簡単に育てることができます。新鮮でおいしいパセリを必要なときに使いたいという方は、ぜひ栽培してみてはいかがでしょうか。
今回は、パセリのベランダ栽培のコツと、収穫後の長期保存方法をご紹介します。
ベランダ栽培のコツ
生育力があって、暑さや寒さにも強いパセリは、上手に育てると長期間収穫を楽しむことができます。
【水はけのよい土を使う】
パセリは土の質をあまり選びませんが、多湿環境には強くありません。粘土質の土など水はけの悪い土は避け、水はけのよい土を使いましょう。
また、プランターや鉢の底には石を入れて排水しやすい状態にする、下にスノコなどを敷いて水が溜まらないようにするなど、排水性の良い状態を作りましょう。
【日当たりのよい場所で育てる】
パセリは日光を好む野菜なので日当たりが良い場所で育てるとよいでしょう。ただし、直射日光を浴びると葉焼けを起こしてしまうことがあります。
また、日光に当たる量が多いほど葉の色が濃く、香りや味も強くなります。半日陰程度の場所でも育つので、香りや味の好みに合わせて育てる場所を選ぶとよいでしょう。
【花茎は早めに摘む】
ある程度成長すると「トウ」と呼ばれる花茎がつきます。そのまま放置していると白い花が咲いて種を収穫することができます。しかし、花が咲くと種を作るために葉の成長が止まってしまうだけではなく、葉が硬くごわごわした食感になってしまいます。種を収穫しない株の花茎は早めに摘みましょう。
【乾燥と多湿に注意】
パセリを含むセリ科の植物は水分を好むため、休眠期となる冬以外は土が乾かないよう水やりを行う必要があります。
しかし、多湿環境では根腐れなどをおこしやすため、土の水はけをよくするだけではなく、剪定や間引きで風通しのよい状態にしておきましょう。
【収穫しすぎに注意】
生育力旺盛なパセリは、たくさん収穫しても新しい茎をどんどん伸ばしてすぐにまた収穫できるようになりますが、収穫しすぎて葉が全くない状態になると枯れてしまいます。枯らさずに長く収穫をしたい場合は、収穫・剪定しても8房以上は残しておくようにしましょう。
収穫後の長期保存方法
【水にさして冷蔵庫で保存】
水にさした状態でビニール袋などに入れて冷蔵庫の中で保存すると、新鮮な状態をキープすることができます。水を変えなくても一週間程度もちますが、2~3日に1回水を変えるとさらに長持ちします。
【冷凍保存】
パセリは冷凍保存も可能です。手でちぎって葉と茎をわけ、空気と一緒に袋に入れて冷凍します。完全に凍ったら袋のまま揉んで粉にし、空気を抜いて冷凍保存します。冷凍状態であれば約1か月保存することができます。なお、冷凍の際にはパセリについた水気をしっかり切ってから冷凍しましょう。
【乾燥保存】
電子レンジでパセリを乾燥させ、細かく砕くと乾燥パセリになります。乾燥させたパセリは冷蔵で約2週間、冷凍なら数か月保存可能です。生の食感などは失われてしまいますが、最も長く保存することができる方法です。
まとめ
プランターや鉢などを使って手軽に育てられるパセリは、ベランダ栽培はもちろん、屋内での栽培にも適しています。品種によって味や香り、食感などもさまざまですので、自分好みのパセリを栽培してみてはいかがでしょうか。