一株ならベランダ栽培も楽。料理のアクセントに使いたい、唐辛子の苗からの栽培方法。
唐辛子(とうがらし)は韓国料理やエスニック料理など、辛みの効いた料理に欠かせない食材です。調味料的な使われ方をするため、一回当たりの消費量は少ないものの、辛いもの好きな方であれば頻繁に使う野菜なのではないでしょうか。
唐辛子の栽培は難しそうなイメージがありますが、実は一株だけであればベランダでも育てることが可能です。生の唐辛子を料理に使いたいという方は、ぜひ自宅で育ててみてはいかがでしょうか。
唐辛子の育て方
唐辛子は種から育てることも可能ですが、一株だけ育てるのであれば苗から育てるのがおすすめです。定番の「鷹の爪」や沖縄の「島唐辛子」、辛くない「万願寺唐辛子」など好みの品種を選ぶとよいでしょう。
【植え付け】
南米原産の唐辛子は暑い環境を好むため、苗の植え付けは気温が25度くらいになる五月以降が適しています。
深さ30センチ以上の大型プランターに鉢底石を敷き、野菜用の培養土を入れたあと、苗のポットと同じくらいの大きさの穴を掘り、水を染み込ませておきます。水が土になじんだら根鉢を壊さずに苗を植え付け、株のそばに支柱を立てて麻ひもなどで軽く誘引してください。
唐辛子は水はけのよい土を好むため、野菜用の培養土に赤玉土を混ぜてもよいでしょう。
【水やり・肥料】
根の張りが浅く水切れを起こしやすいため、乾燥しないよう注意が必要です。土の表面が乾いたらたっぷり水を与えてください。根元に藁や腐葉土を敷いて乾燥を防いでもよいでしょう。
また、植え付けから2~3週間したら追肥を行い、花がつき始めたら2~3週間に一度のペースで肥料を与えてください。肥料は一般的な化成肥料で問題ありませんが、ピーマン用や唐辛子用の肥料ならなおよいでしょう。
【摘芯・剪定・収穫】
最初の花がついたら花がつぼみの内に主枝の先端から1節か2節目でカットして摘芯を行います。
また、摘芯をしたあとそこから伸びた脇芽は伸ばしますが、その下の方についている脇芽は摘んで二本立てか三本立てにしてください。摘芯や剪定はしなくてもある程度収穫できますが、しておいた方が花がたくさんついて収穫量が増えます。
収穫時期に葉が混みあって風通しが悪いと感じる場合は、枝ごと切って収穫すれば剪定も兼ねることができます。
実だけを収穫するときは、必ずはさみを使って収穫しましょう。汁で肌が荒れないよう、手袋をつけておくと安心です。
収穫後の保存方法
収穫した唐辛子は冷蔵、冷凍、乾燥することで保存可能です。
【冷蔵】
保存袋やラップで密閉して野菜室で保存。保存期間は数日~一週間程度です。
【冷凍】
一つずつラップに包んで冷凍するか、輪切りなどにしてジップバッグなどの保存袋に入れて冷凍。保存期間は、まるごとの場合は3か月程度、カットしたものはそれよりも短くなります。
【乾燥】
枝や株ごと収穫した場合は逆さに吊るし、実だけ収穫した場合はネットやザルに広げて乾燥させます。直射日光が当たらない風通しの良い場所で、表面にしわがたくさんできて振ると中の実がカラカラと音がするくらいまで乾燥させましょう。乾燥した唐辛子の保存期間は半年~1年程度です。
まとめ
唐辛子は病害虫に強く、水と肥料さえ忘れなければしっかり育つため、初心者でも育てやすい野菜です。生のまま使うほか、乾燥させてオイル漬けにするなどさまざまな方法で活用できるため、ぜひ育てて見てはいかがでしょうか。