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イチゴを家で育てるとなぜかいびつな形の物が多いが、なぜですか?対策は?

スーパーなどで販売されているイチゴやケーキの上に乗っているイチゴは丸みのある三角のような形をしていますが、家で育てるとゴツゴツ、凸凹とした形になったり、先が二股に分かれたりするなど、いびつな形になることがよくあります。

このようないびつな形のイチゴを「奇形果」や「乱形果」と呼びますが、なぜ家で作ると「奇形果」や「乱形果」が多くなるのでしょうか。

今回は、いびつな形のイチゴができる理由とその対策をご説明します。

受粉のばらつき

イチゴは一般的に真っ赤な実の表面に小さな種がたくさんついてる果実だと考えられていますが、植物学的には種だと思われている部分が「痩果(そうか)」と呼ばれる果実で、真っ赤な実のような部分は果実ではない「偽果(ぎか)」に該当します。

偽果はイチゴの花の中心にある「花托(かたく)」が肥大してできたものです。花托には100以上の雌しべがついており、雌しべが受粉すると痩果が成長するととも花托も肥大を始めます。

この時肥大するのは花托全体ではなく、受粉した雌しべがついている部分のみとなるため、受粉している雌しべとしていない雌しべがあると、肥大する部分としない部分ができてしまいます。イチゴの形がいびつになるのは、この「受粉のばらつき」が主な原因です。

受粉のばらつきによってできる奇形果は、雌しべ全体を均等に受粉させることで防ぐことができます。農家など規模が多い場合は、ミツバチなどを利用して受粉を行いますが、家庭であれば筆や綿棒を使って人工授粉を行うとよいでしょう。

日当たりなどの条件

雌しべがまんべんなく受粉していても、日当たりや栄養状態によっては花托の成長速度に部分的なばらつきができることがあります。特に、一番果や二番果などに起こりやすいといわれています。

花托の成長速度のばらつきが原因でできる乱形果を根本的に防ぐ方法はありません。日光がまんべんなく当たるよう工夫することで減らせる可能性はありますが、自然なものなのである程度できるのは仕方ないと考えるとよいでしょう。

まとめ

いびつな形のイチゴは受粉がうまくできなかったときや、日当たり、栄養状態などが原因でできます。見た目や名前のイメージから「食べないほうがよいのではないか」と感じるかもしれませんが、病気が原因ではないので、食べても問題ありません。

発育不良で小さく委縮したイチゴはあまりおいしくないかもしれませんが、形が悪いだけの場合は食味が劣るということもなく、「いびつな形のイチゴの方が甘い」ともいわれています。

人工授粉をすればきれいな形のイチゴになりやすいですが、ある程度は出来てしまうものなので気にしすぎないほうがよいでしょう。

 

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