サツマイモの栽培時期と育て方を教えてください。
サツマイモは広い畑がないと育てられないというイメージを持たれがちですが、家庭の庭でも育てることができ、少ない手間で収穫まで楽しむことができる野菜です。
子供からも人気が高く、おかずやお菓子の材料にもなるサツマイモは、どのように育てればよいのでしょうか。
今回は、サツマイモ栽培の時期と育て方をご紹介します。
サツマイモの栽培時期
中南米の砂漠地帯を原産とするサツマイモは温かい環境を好みます。栽培に適した温度は地温15度以上、平均気温18度以上で、気温が20度以上になると旺盛に育ちます。
反面、寒さには弱いため、植え付けは霜が降りる心配がなくなる5月中旬から6月上旬ごろに行います。梅雨入り前には植え付けておくとよいでしょう。
品種や環境などによって違いはありますが、植え付けから収穫までの期間はおよそ120日から140日程度。5月中旬に植え付けたら10月ごろに収穫を迎えるといったイメージです。早く収穫しすぎると甘みが少なく食味が落ちるので、日数などで判断するのではなく試し堀りの状態から判断してください。
基本的な育て方
砂漠地帯を原産とするサツマイモは乾燥に強く、やせた土地でもよく育ちます。むしろ、栄養が多い環境で育てると病気にかかりやすくなったり、茎や葉だけが伸びて芋が大きくならない「つるボケ」を起こしやすくなるため、肥料はやらないか最小限の施肥にとどめておきます。
日当たりがよく水はけのよい場所で、茎や葉を茂らせすぎないよう育てるのがコツです。
【植え付け】
植え付け10日ほど前に土をよく耕し、幅45cm、高さ30cmほどの畝を立てておきます。芋の生育の邪魔にならないよう大きな石などは取り除いておくとよいでしょう。畑で育てる場合など、広い面積で育てる場合はマルチの使用がおすすめですが、マルチを使わなくても問題ありません。
深さ10cmほどの楕円形の植穴、または筋を掘り、株間30cmほどで苗を植え、軽く手で押さえます。水平植え、斜め植え、垂直植えなどさまざまな植え方がありますが、切り口から4節目くらいまでは必ず埋まるよう植え付けてください。
水やりは基本的に必要ありませんが、植え付け直後は土中に水分がないと根がつかないため、土が乾燥している場合は植え付け直後に水やりを行います。
【管理作業】
根が活着したら水やりを行う必要がなく、追肥もする必要もありません。マルチを張っていない場合、つるが伸びるまでは雑草を取らなくてはなりませんが、つるが伸びて畝を覆うようになったら雑草も生えなくなりますので基本的に放任で問題ありません。
ただし、伸びたつるの先についた「不定根」が土に付くと芋の成長が阻害されてしまいますので、つるが旺盛に伸びた夏から秋にかけて適宜、つるを持ち上げて不定根を切る「つる返し」を行いましょう。
【収穫】
収穫は晴れた日の午前に行います。
株元でつるを切り、マルチやつるを取り払った後、芋を傷つけないよう注意しながら収穫します。スコップなどを使ってもよいですが、手で掘ったほうが安心です。
掘ったあとは土をつけたままシートの上などに並べて干し、表面が乾いてから保存してください。
まとめ
サツマイモはしっかり根付いてしまえば基本放任で育てられるため、栽培に手間をかけられないという人にもおすすめです。深さ30cm以上の大きめのプランターで育てることもできますので、好みの品種を選んでぜひチャレンジしてください。