樹木や草花を植栽して動物やマスコットに! 庭を華やかに演出するトピアリーとは?
トピアリーとは植物を動物やマスコットなどの形に仕立て上げる造形物のことで、テレビや本に登場する大きな庭園やテーマパークの庭などで見かけることがあります。
作るのが難しそう、広い庭がないと出来ないといったイメージがありますが、トピアリーには様々な種類と技法があり、家庭でも挑戦できるトピアリーもあります。
今回は、トピアリーの歴史や種類、トピアリー向きの樹木をご紹介します。
トピアリーの歴史
トピアリーの歴史は非常に古く、もっとも古い記録では古代ローマの博物誌家 大プリニウスが著した「博物誌」の中に記述が見られています。当時のトピアリーは現在のような複雑な形状ではなく、庭師が生垣に主人と自分のイニシャルを刈り込んだ程度のものだったといわれています。
現在のようなトピアリーが作られるようになったのは15世紀以降のことで、16世紀以降は王宮や貴族の館で樹木を円錐や球体の形に刈り込んだトピアリーを取り入れた庭園が流行。17世紀のイギリス式庭園ではトピアリーは緑の重要な造形として不可欠な存在となりました。
しかし、18世紀になると、あるがままの自然を賛美する風潮が高まりトピアリーは一時衰退します。
19世紀になると建築と一体化した庭園技法として再評価が行われ、20世紀になってアメリカで新しいトピアリーの技術が開発されると、アメリカでトピアリーの人気が高まり、再び多くの庭園などに用いられるようになりました。
トピアリーの種類
トピアリーには、古くから伝わっている刈り込み型トピアリーのほか、樹木に金網のフレームをかぶせて育て、はみ出た部分を刈り込んで作るメッシュ・トピアリー、土台となるフレームに水苔を詰めたり覆ったりして植物を這わせるスタッフドトピアリーやモストピアリー、花壇と苗を組み合わせて造る立体花壇などがあります。
日本の菊人形やフレームにツタを這わせて好みの形を作る仕立てなどもトピアリーの一種として扱われることがあります。
トピアリー向きの植物
トピアリーは、立体花壇であれば好みの草花、スタッフドトピアリーやモストピアリーはツル性の草花であればあまり種類を選ばず利用できます。常緑性であれば見た目を維持できてなおよいでしょう。
刈り込み型トピアリーやメッシュ・トピアリーは、枝葉が少ない植物や落葉性の植物にはあまり向いていません。
常緑性で枝葉が多く剪定に強い樹木で、葉が小さめのものがよいでしょう。
コニファー、西洋ツゲ、マートル、オリーブ、イチイなどがおすすめです。
まとめ
トピアリーは地植えした樹木だけではなく、鉢植えの草花や低木などでも楽しむことができます。刈り込み型トピアリーとフレームにツタを這わせるトピアリーを組み合わせたり、寄せ植えを組み合わせたりすることでさまざまなデザインに仕立てることができますので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。