にんにくを植える時期と植え付け方丨地域ごとの最適な時期・品種ガイド
秋ににんにくを植えると、寒い冬を越して、翌春には香り豊かで栄養価の高い状態で収穫できます。
家庭菜園初心者でも挑戦しやすい秋植えですが、地域や品種によって適した植え付け時期や管理方法が変わるため、ポイントを押さえて挑戦することが大切です。
秋ににんにくを植えるメリット
にんにくは秋に植えることで、冬の間に根を張り、春からの生育が安定しやすくなります。
その他にも、寒さに当たることで球をしっかりと締め、風味が豊かになります。
また、にんにくは連作障害が出にくい作物のひとつです。夏の間に整えた土壌で栽培することで、連作障害のリスクを減らす”輪作”にも適しています。
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【詳細と対策】
【作物の選び方の工夫】
連作障害が出やすい野菜と出にくい野菜にはどんなのがありますか?
にんにくの植える時期
地域ごとの目安│霜が降りる前に植える
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北海道・東北地方:9月上旬~下旬
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関東地方:9月中旬~10月上旬
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西日本・九州南部など暖地:10月中旬~11月
霜が降りる前に植えることで、根がしっかり張り、翌春の発育がスムーズになります。
ご紹介した時期はあくまで目安のため、地域やそのときの気候を考慮して調整することが大切です。
おすすめの品種│青森系やホワイト系
寒冷地向け(北海道・東北地方など)
- 福地ホワイト六片
青森県で誕生した寒地向け品種で、鱗片が6個前後できます。 - ニューホワイト六片
寒地系の代表的な品種のひとつで、球ひとつあたりに大きめの鱗片が6個ほどつくられます。
暖地向け(関東・関西・九州地方など)
- 平戸(ひらど)
早生品種で、球ひとつひとつが大きめに育つ品種です。 - 嘉定(かてい)
早生品種のひとつで、球は50g~120g程度になります。
品種を選ぶときは、家庭菜園で栽培しやすい青森系やホワイト系がおすすめです。
風味や収穫量のバランスがよく、初心者でも育てやすい品種が揃っています。
早生・晩生など生育期間が異なる品種もあるので、植える時期や収穫時期に合わせて選ぶと便利です。
植え付けの手順
土づくりと畝(うね)の準備
野菜用の培養土のなかでも、水はけのよい土を使いましょう。
畝に条間(列の間隔)を20〜30cmほどあけて溝を作り、そこに株間15cmほどの間隔でにんにくを植え付けます。
こうすることで、葉が茂っても風通しが良く、球が大きく育つスペースを確保できます。
球の植え方
にんにくの球を1片ずつに分け、先端を上に、底を下にして土に植えます。植え付けるときの深さは3~5cm程度が目安です。
球同士の間隔や条間を守ることで、根や葉が十分に成長し、収穫量が安定します。
肥料と水やりの管理
乾燥気味の土壌には、土が乾いたタイミングで根元にたっぷり水を与えます。
元肥には化成肥料を混ぜ込み、12月頃と、翌年の2月下旬〜3月上旬頃の2回に分けて追肥を行うと葉色や風味が安定します。
害虫対策
秋に植えると害虫の活動はやや鈍りますが、冬の間でも暖かい日にはアブラムシやネギアブラムシが発生することがあります。防虫ネットや必要に応じた農薬で対策しましょう。
収穫と保存のコツ
収穫の目安は、葉の半分から3分の2ほどが黄色く枯れてきた頃です。
すべての葉が枯れてしまうと、球が土の中で割れてしまうことがあるため、タイミングを逃さないようにしましょう。
割れると病害虫からの被害や腐敗の原因になりかねないので、割れる前の収穫が理想的です。
収穫後は風通しの良い日陰で乾燥させ、適切に保存すると長く楽しめます。保存方法を工夫することで、香りや食感を損なわずに家庭で活用できます。
地域に合った植え付け時期と品種選びを
秋は家庭菜園でにんにくを植えるのに最適な季節です。地域や品種に合わせて種球を準備し、土選びや畝作りを工夫することで、冬を越して風味豊かなにんにくを収穫できます。
初心者の方もしっかりポイントを抑えて、にんにく栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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