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玉ねぎの種まき時期丨とう立ちや失敗しないための栽培のコツもご紹介

玉ねぎは家庭菜園でも人気の定番野菜ですが、うまく栽培するためには「種まき時期」が大切です。
時期を誤ると、花芽がついた茎が伸びてしまう「とう立ち」などにつながるため、まず種まきに最適な時期(適期)を知りましょう。

 

この記事では、玉ねぎの種まき時期と栽培のコツ、家庭菜園に適した品種、とう立ちを防ぐポイントをご紹介します。

 

玉ねぎの種まき時期

玉ねぎの種まき│時期と品種について

地域別の種まき時期

玉ねぎの種まきは、地域によって適期が異なります。

 

  • 暖地(九州や四国、東海の一部など):9月中旬~下旬

  • 中間地(関東・東海・近畿・中国など):9月上旬~中旬

  • 寒冷地(北海道・東北など):8月中旬~下旬

 

種まきが遅れると苗が育たず、逆に早すぎると冬までに大きくなりすぎてとう立ちの原因になってしまいます。種袋の裏面でその品種に合った時期をしっかり確認しましょう。

品種による違い

玉ねぎには「極早生」「早生」「中生」「晩生」の4タイプがあります。

 

  • 極早生・早生:春に収穫でき、甘みが強い。初心者におすすめ。

  • 中生:バランスが良く、保存性もある。

  • 晩生:貯蔵性が高いが、寒冷地では栽培が難しい。

 

家庭菜園では「早生」や「中生」を選ぶと扱いやすく、失敗も少なくなります。

 

【品種ごとの種まき時期】

玉ねぎの種まき、苗の植え付けの際の注意点には何がありますか?

おすすめの品種

初心者の方には、このなかでも「泉州中甲高」「ターザン」がおすすめです。

 

早生品種

  • 貴錦(たかにしき)
    育てやすく、春先に早めに収穫できます。甘みが強くサラダ向きです。

     

  • 泉州中甲高(せんしゅうなかこうだか)
    関西の定番品種で、病気に強く家庭菜園で人気です。

     

  • スーパーアップ
    極早生タイプで、春先に柔らかい玉ねぎを楽しめます。

 

中生品種

  • ターザン
    収穫の量が安定しやすく、球形がそろいやすい品種です。

     

  • ケルたま
    甘みがあり生食にも向いています。保存性もある程度あります。

 

晩生品種

  • ネオアース
    貯蔵性が非常に高く、翌年春まで保存可能。農家にも人気の品種。

     

  • 奥州玉ねぎ
    寒冷地でも育ちやすい。辛味が少なく幅広く使える。

玉ねぎ栽培に適した環境

日当たり・土壌条件

玉ねぎは日光を好むため、日当たりのよい場所を選びましょう。
土壌は水はけがよく、pH6.0〜6.5ほどが理想です。玉ねぎは酸性を好まないので、中性に近い弱酸性に収めるために、石灰などを少し加えるのがおすすめです。

土づくりのポイント

種まきの2週間前には石灰で酸度を調整し、堆肥を混ぜて土を整えます。
たまねぎは連作障害が出やすいので、同じ場所に同じ科の作物を続けて植えない工夫も大切です。

 

もし過去にネギ、ニラ、ニンニクなどのネギ科(ユリ科)植物を栽培していたら、3〜4年は置いておくと安心です。

種まきと管理のコツ

種まきの手順と発芽後のケア

畝を作り、すじまきにして5mm程度覆土します。発芽まで乾燥させないよう水やりに注意します。
発芽後は込み合った部分を間引き、株間を2〜3cmにしましょう。

 

過度な水やりは根腐れを招くので、土が少し乾いているときに水やりをします。

苗の育て方

種まきから約1〜2か月で苗が育ちます。
細すぎる苗や徒長苗は避け、しっかりした株を残しましょう。

定植の適期

苗の太さが鉛筆ほどになったら、畑に植え付ける定植のサインです。11月前後の時期を目安として行います。
大きすぎる苗はとう立ち、小さすぎる苗は冬越しが難しくなるので、選別をしましょう。

とう立ち(抽苔)の原因と対策

とう立ち

とう立ちとは

玉ねぎが育つ途中で、球が太る前に茎が伸びて花芽(とう)が出てしまう状態を「とう立ち」と呼びます。
本来は葉が太って地下の球に栄養を貯めることで玉ねぎができますが、とう立ちすると栄養が花芽である薹(とう)の部分に取られてしまい、球が大きくならず、食用に向かない状態になります。

とう立ちの原因

たまねぎのとう立ちは、主に寒さに長期間さらされること、苗が大きくなりすぎることで起きてしまいます。
そのために、次のような細かな要因はとう立ちにつながりやすいので注意しましょう。

 

  • 種まきが早すぎて苗が大きく育ちすぎる

  • 地域に合わない品種を選ぶ

  • 肥料のやりすぎ

とう立ち対策

前述したような原因からとう立ちにつながらないために、このような対策がおすすめです。

 

  • 地域ごとの適期を守る

  • 定植時は鉛筆程度の太さの苗を選ぶ

  • 品種選びは地域に合わせる

  • 肥料は控えめにし、成長を急がせない

 

とう立ちについてより詳しく知りたい方は、こちらの関連記事もご覧ください。

 

【とう立ちの関連記事】

玉ねぎのとう立ち(抽苔)の原因と対策について教えてください。

まとめ

家庭菜園では、育ちやすい品種を地域の気候に合わせた適期にまくことで、とう立ちを防ぎ、収穫量を安定させることができます。
ガーデニングや家庭菜園の基本を押さえて、ぜひ今年は自家製の玉ねぎを収穫してみませんか?

 

グリーンワークスでは、家庭菜園で玉ねぎを栽培する時に役立つ記事を多数発信しています。
おいしい玉ねぎを作って、ご家庭に手作り野菜を取り入れてみるのもおすすめです。

 

【玉ねぎの苗の作り方】

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