12月終わり、春じゃがいものための畑準備は何が必要?
春に栽培するじゃがいも(馬鈴薯)は、その丈夫さと育てやすさで知られており、輪作にも適しています。この記事では、春じゃがいもの大規模栽培におけるポイント、連作障害対策、注意すべき病害について詳しく解説します。
春じゃがいもの基本情報
- 栽培暦:植え付けは2月中旬~3月上旬、収穫は5月下旬~6月上旬。
- 地域性:特に中国地方から九州地方の暖地で多く栽培されています。
春じゃがいもの栽培ポイント
- 輪作の可能性:水稲や大豆などとの輪作が可能で、農作業の労働時間が重ならないため、並行栽培が推奨されます。
- 品種の選定:さまざまな品種があり、新品種も開発されています。代表的な品種には、男爵、とうや、はるか、ニシユタカがあります。
農機を用いた春じゃがいもの大規模栽培方法
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ほ場の準備:
- 連作障害を避けるため、直近3年間ナス科の野菜が植えられていないほ場を選定します。
- 排水対策を前年の11月頃までに行います。
- 堆肥の施用は前年の秋に済ませます。
- 深耕し、砕土率60%以上に保ちます。
- 施肥量は品種により異なりますが、化成肥料の施肥量の目安を参考にします。
- 土壌pHは5.7前後に保ちます。
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畝立て:畝幅は85cm、高さは22~25cmが理想です。
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種芋の準備:
- 1a当たり20~25kgを目安に準備します。
- アグレプト水和剤などで消毒し、浴光育芽を行います。
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植え付け:適した栽植密度は10a当たり約4,100株です。
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土寄せ:土寄せは茎葉が15cm伸びた頃に1回目、10~20日後に2回目を行います。
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茎葉処理:収穫の準備として茎葉処理を行います。
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収穫:茎葉処理後7~10日後に行います。
病害防除と追肥
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病害防除:
- 疫病防除は5月下旬から早めに開始し、7~10日おきに農薬散布を行います。
- 軟腐病は6月中旬から対策を開始し、梅雨期間中は耐雨性の高い農薬を散布します。
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追肥:
- 植え付けから20日ほどの時期に追肥を行います。
- 土寄せと同時に施肥することが効率的です。
マルチ栽培のメリット・デメリット
- メリット:肥料や土壌の流出がなく、追肥や土寄せの手間が省けます。
- デメリット:地温が上がりすぎると高温障害が出る可能性があります。
連作障害対策と輪作体系
- 連作障害対策:一度作付けをしたほ場での連作は2~3年の期間を置く必要があります。
- 輪作体系:玉ねぎや緑肥、豆類、アブラナ科の葉菜類などと輪作が推奨されます。
まとめ
春じゃがいもの栽培は効率的で、大規模栽培にも適しています。土作りから収穫まで、農機を活用した栽培方法を採用することで効率を上げることができます。病害防除や適切な追肥、マルチ栽培の検討など、栽培管理のコツを把握し、良質なじゃがいもを収穫しましょう。